“母親に35年も閉じ込められた男”の大暴走…世界を熱狂させた衝撃作、ついに日本初公開
という設定にすればいいんだと思いつきました。そうすれば、違うカメラマンが撮っても成立するのではないかなと。同じカメラマンを確保できないことを大きな問題とするのではなく、逆に面白いと思うことにしました。
―まさに発想の転換ですね。実際、それによってどのような効果が得られたとお考えですか?
監督脚本にいろんな視点を入れることができましたし、視覚的にもいい影響が出たと感じています。ほかにも大きかったのは、違う撮影監督が入るたびに、新しいエネルギーを現場に持ち込んでくれたこと。そういうところも含めて、いまはよかったなと思っています。
日本の映画からは深く影響を受けている
―また、バビーの耳に届く音の刺激をリアルに再現する「バイノーラルサウンド録音」を採用するなどしていたそうですが、そのほかにもこの作品ならではのこだわりと言えば?
監督今回、冒頭の30分はスタジオ内にあるセットで撮影をしていますが、バビーの父親が登場して以降はそのセットを25~30%大きくしています。
これは、バビー自身の世界が少し広がったことを表したかったからです。
といっても、おそらく観ている方は言われないとわからないくらいかもしれませんが、それを肌で感じてもらえたらいいなと。