三浦透子「難しいけれど、面白いチャレンジになる」 難解な心理を描くイプセンの作品に挑む
社会に潜む問題と、ままならない人間の感情とをヒリヒリとした会話劇の中で描き出し、今なお世界中で上演されている19世紀の劇作家イプセン。その中でも最も難解な心理を描いた作品として知られる『ロスメルスホルム』は、思想を介して結びついた男女の奥底に抱えた複雑な心情を描いた人間ドラマ。
「どんなに強く見える人であっても、少なからず葛藤はあると思うから」
「脚本を読んだときにも思いましたし、稽古が始まった今も感じていることですが…。人間って我々が思っているよりも複雑なものだよねというのと、人って思っているより単純だよねという、両方がある作品です。難しいけれど、面白いチャレンジになると思っています」
三浦透子さんが演じるのは、まだまだ古い伝統と価値観に縛られている世の中で、進歩的な考えを持った女性レベッカ。森田剛さん演じる主人公ロスメルの家の下宿人であり、彼の思想に大きな影響を与えている存在でもある。
「人間の感情って0か100かではないと思うんです。相反する感情が51%と49%で共存しているんだけれど、どちらかひとつしか選べないから瞬間的に51%の方を取るということもあって。
でも外からは100%そっちの人だと見えてしまうことがある。