富田望生「役に近づけるものがあるなら惜しまずにやらないと」 役作りのセオリー
考えるより先にまずは体を動かしてみる、ということが今回は多いです。「ここの場面でこう見て」とか、「ここでは大きくしゃべってみて」と言われて、まずはその通りにやってみる。これまで、あまりそういう演劇的なアプローチでお芝居をしたことがなかったんですが、今回に関しては、福原さんからいただくヒントに思い切って乗っかって、わかりやすくお客さんに伝えていくことが必要なのかなと思っています。自分の役を深く深く追求することより先に、この場面での自分が果たすべき目的は何かをまず考えて、それをどう伝えるかっていうことを、求められているのかなと。
――でも普段の作品では、それだけ役を丁寧に読み解いて演じられているということでもあります。富田さんなりの、役作りのセオリーのようなものはありますか?
役に近づけるものがあるなら惜しまずにやらないとっていう、それだけです。よく、「なんでそんなに痩せられるんですか」「そんなに太れるんですか」と聞かれますが、自分がやらないと気が済まないというだけです。何かやっていないと不安になる性格で。
そんなことをしなくても役にアプローチできる方はたくさんいらっしゃるけれど、私はそれができないだけで。