「母のように日本の作品に出てみたい」フランス映画界の新星が語る日本での思い出
とはいえ、劇中で使われている音楽が80年代にヒットしたイギリスのシンセポップ・デュオであるオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの「エレクトリシティ」だったり、半野喜弘さんによるオリジナルサウンドトラックがノスタルジックだったりするので、この物語の源に過去がつながっているのは感じていました。
―また、演じるうえでは、母親役のジュリエット・ビノシュさんの存在も大きかったと思いますが、共演されてみて印象に残っていることがあれば教えてください。
ポールさん初めて出会ったときのインパクトがすごかったので、そのときのことはいま思い出しても、微笑みが出てしまうほど。というのも、彼女は本当に美しくて、存在感があって、俳優としての才能が明らかですからね。一緒にカメラテストをしたときは、思わずずっと見つめてしまいました。
そして、この映画において欠かせないのは、彼女の母性的な強さ。それがあまりにもリアルだったので、そのおかげで家族が出来上がったと思います。撮影期間はあまり長くはなかったのですが、彼女が監督やキャストたちに料理を作ってもてなしてくれたり、親しく接してくださったりしたからこそ、家族としての関係性を築くことができました。