アイが見たかった世界? 「アイドル」MVラストシーンに込められたアニメーターの想い
TVアニメ『【推しの子】』OP曲、YOASOBIの「アイドル」。MVが今年4月にYouTubeで公開されて、12月の現時点で3.8億回再生を突破した。そんな話題のMVのディレクター・絵コンテ・演出を務めたのは、アニメーターの中山直哉さん。中山さんは、子供の頃からアニメが好きだったという。
「アイドル」のラストはアイが見たかった世界。
「幼少期から、将来は物作りの仕事をしたいと思っていました。小学生の頃は『金曜ロードショー』でジブリ映画を観たり、月曜から金曜まで夕方に流れるTVアニメを見たりして。毎日のようにアニメに触れていたのが、アニメーターになった理由の一つになっていると思います。
とはいえ、いきなりこの業界に飛び込んだわけではなくて。当時アニメの現場は賃金の問題があったり、今と比べると労働環境も大変だったんです。物作りをする専門学校に進んだものの、アニメの仕事で食べていくのはしんどいのかなと。卒業後は、主にゲームのムービーシーンを作っている会社で働きました」
しかし、アニメへの情熱が冷めることはなかった。ゲームの仕事を始めて2年が経った頃、アニメーターになることを決意する。
「周りの方に話を聞いて、給料制である程度安定した生活が送れる、京都アニメーションに入社しました。