光石研「僕の仕事は、現場で知恵を出し合ってワンカットを成立させること」
僕みたいな脇役の俳優は、役や作品に固執していくと仕事がなくなっていきますから、軽やかにいないとという思いはちょっとあります。
――監督から求められたとしても、それはちょっとできないとおっしゃる場合もありますか?
そういうときもありますね。へんなもので、相手のことを面白い人だなと思っていると、突拍子もないことを言ってきてもやってみようと思えたりするし、それをやってどうなるんだろうって?って思うような相手だったらやらないだろうし。初対面だけど、この人とは肌感覚で合うなとか合わないなって思うことあるじゃないですか。そんな感じで、この人が言うならやってみようと思えれば、どんなこともやりますよ。
――今、映画作りの現場も変わってきていますが、そのことについても少し伺っていいですか?
正直、あまりに問題が大きすぎて、片隅にいる僕なんかが言えることじゃないですけど、映画ってたかだかできて100年くらいのものではありますが、耐久性のあるメディアだと思うんですよ。だからせっかく撮るならば、先の時代に残すつもりで撮ってほしいし、そういう現場に出合いたいという気持ちはあります。あまりにも気軽に誰でも撮れちゃう時代だからこそ余計にね。