“子供ど真ん中”の社会の実現に向けて…「共同親権」の課題を考える
児童相談所や子ども家庭支援センターの職員の方に伺うと、虐待の相談件数は増え続けているが、児相の体制はあまり変わらず、どこまで踏み込んでいいかわからないと話していました。最終的には警察に届けることになりますが、子供と親を引き離して終わり。虐待の背景には貧困や働き方、孤立の問題が引き金になっていることが多いですが、根本的な解決にはならず、対症療法にしかならないのが現状です。
共同親権の論議も親の権利の話ばかりで、子供の権利がなおざりになってはいないでしょうか。どちらが親権を取るかも、子供が選べる環境を整備するべきでは?やはり、理想は「社会で子供を育てる」。どこに住んでいようとごはんを食べられて、教育を受けられ、安心して子供が暮らせる体制作りが必要だと思います。子ども食堂やフードバンクはその一例ですが、民間事業ベースで寄付によって運営されている脆弱なシステムです。“子供ど真ん中”の社会の実現には皆で取り組むことが大事なのではないかと思います。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)