岸井ゆきの、阿部サダヲや皆川猿時は「ドラえもんみたい」 松尾スズキの傑作舞台に挑む
頭部が肥大して生まれてきた少年フクスケ。盲目の妻サカエと彼女に歪んだ愛情を抱くコオロギの夫婦。ある日行方不明になった妻マスを14年間捜し続ける夫ヒデイチ。歪な登場人物たちの運命が交じり合い、やがて暴走してゆく松尾スズキさんの『ふくすけ』は、世の中のタブーに踏み込み、人間のしたたかさやしぶとさの中に悲哀や切なさも感じる傑作。1991年に初演され、何度も再演されてきた舞台が12年ぶりに上演。そこで岸井ゆきのさんが、タイトルロールを演じる。
ダークだけど笑いや爽快感があって、エンタメなのが松尾作品の魅力です。
「松尾さんの演出する作品に出演できるのは嬉しいです。
ただ、前回と前々回にフクスケを演じられていたのが阿部(サダヲ)さんで、年齢も性別も違う私が、阿部さんのようなエネルギーを出せるのか、プレッシャーを感じています」
このキャスティングは松尾さんたっての希望だったそう。
「なぜ私だったのかはまだ聞けていません。ただ、セリフの中に“中二病”という言葉が出てきますし、今回は、フクスケが14歳の少年であることをより強調したかったのかな、と。そこを拠りどころに、今は頑張っているところです」