益田ミリ「『僕の姉ちゃん』を描いているとき、よく“そう来る?”とわたし自身が思ってるんです」
読み手の自己肯定感も上げてくれそうな今回の『僕の姉ちゃん』。シリーズ通してのもう一つの魅力は、ちはるの恋愛エピソード。大いなる妄想と豊富な経験(?)からくる面白トークは今作も健在だが、益田さんがピックアップしてくれたのはちょっと甘酸っぱいエピソード。
「恋のエピソードで特に好きなのは『スタバにて』です。ちはるがスタバで昔の恋を思い出すという漫画なのですが、『好きで好きで大好きで会いたくて会いたくて走りまわっていたあの恋も』色あせてしまったけれど、朝帰りにタクシーをつかまえるまで手をつないでいたシーンは忘れないでいる。恋のかけらって小さくても心の中でいつまでも発光しつづけている。そういうものだと思います」
人生のこと、仕事のこと、恋愛のこと…。今回もさまざまなテーマで笑いと気付きを与えてくれる『僕の姉ちゃん』。
シリーズ通じてほとんどのエピソードが姉弟ふたり暮らしのリビングでの会話でなりたっているのも大きな特徴。多くの会話を描いてきた益田さん、ご自身も会話の中でなにかに気づいたり、確認したりすることはあるのだろうか?
「『僕の姉ちゃん』は姉と弟のテンポある会話劇ですが、作者のわたしは話し下手です。