藤野可織「女同士が仲良くする物語を自分でも書きたい」 女バディ小説に込めた思い
軽口を叩きながら問題を解決していく二人は、文字通り最強の女子高生バディ。想像を超える痛快なストーリー展開など魅力がたっぷりで、話題騒然に。
「書いているときは楽しかったのです。でも発表したあとに、主人公たちをなぜ女子高生にしたのかを改めて考えてみたんです。それで、女性の人生で、“無敵で、何をしても世間に許される、人生で一番きらきらしているとき”というのは女子高生のときくらいだから、二人をその世代に設定したんだ、ということに気がついたんです。私は、そういう価値観をずっと好きではないと思っていたはずなのに。そもそも“世間に許される”なんて考え方も、まだ子どもといえる年齢が“人生で一番きらきらしているとき”だなんてこともおかしい。おかしいってわかっているのに、女性を抑圧するそういった風潮を私自身が内面化してしまっていることにも改めて気がつきました。
それをそのまま小説にしてしまったことを、すごく反省したんです」
自分にとって女性のバディを書く意味とはなにか、それを通してなにを書きたいのか、ということと改めて対峙。思索をする中で、今の社会には、女性はある時期以降社会で冒険をすることから遠ざけられてしまう、そんな仕組みがあることに気がついたのだとか。