藤野可織「女同士が仲良くする物語を自分でも書きたい」 女バディ小説に込めた思い
本当はみんな、歳を重ねた自分の顔が嫌いだってこともないと思うし、個人的なことを言えば、私はむしろ若いときよりも今の顔のほうがしっくりくると思うこともある。そんなことも積極的に伝えたかった。なにより私自身が、歳を取っていく女性の姿をもっと見たいんです。実際読者の方から、“二人が歳を取っていくところがいい”という感想を頂いて、そうだよね、みんな同じこと考えてたよね、という気持ちになりました」
共に歳を取る女バディがもっとたくさんいてほしい。
女性2人が登場する小説やマンガ、映像エンタメはいろいろあるけれど、その二人が純粋に仲が良いことを楽しむ、そんな作品が出てきたのは、意外とここ最近なのでは、と藤野さんは言う。
「昔は女2人といえば、1人の男を取り合うライバル、といった関係性で描かれることが多かった印象があり、そういった物語をまあそんなものなのかと自然と受け入れていました。でも現実ではそんなことは特に起こっていないし望んでもいなくて、もしかしたらあれは、世間によって仕組まれた罠なのでは、と思うようになったんです。だからこそ私は、女同士が仲良くする物語を積極的に読んだり見たりしたいし、自分でも書きたいと思いました」