吉沢亮の「たたずまいはまるで職人。誠実さがある」呉美保監督が明かす。
主演を務めるのは、『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズなどの話題作から、作家性の強い監督作等、幅広い作品に出演し、2025年には吉田修一原作、李相日監督『国宝』の公開が控える吉沢亮さん。
本作では、手話に挑戦し、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現しています。
呉美保監督
ーーおふたりはいつ頃、初対面されたのですか?
呉監督脚本作りの段階でお会いしました。
五十嵐さん幻冬舎(原作の出版社)の会議室で3時間ほどお話をさせていただいたんです。時間的に会議室が使えなくなり、泣く泣く終わるほど、たくさんお話を聞いてくださいました。ありがたいなと思いました。
呉監督伺ったことをそのまま表現できないかもしれないけれど、きちんと事実を掘り下げたうえでどこをチョイスするのか。原作以外の資料も読みながら、考えました。
五十嵐さん初めてお会いした時、呉監督や脚本を手掛けた港(岳彦)さんがコーダについて真剣に耳を傾けてくださって、その真摯な姿に感動したことを覚えています。それもあって、この方たちなら大丈夫だと確信し、「根底に流れるテーマさえ変わらなければ、細部は自由にしていただいて構いません」