吉沢亮の「たたずまいはまるで職人。誠実さがある」呉美保監督が明かす。
と言っていて、原作者としてもとてもうれしかったです。手話をただなぞるだけではなく、相手に伝わるようなものにするのは、一朝一夕にはできないもの。でも、吉沢さんの手話は驚くくらいナチュラルでした。
撮影現場で吉沢さんに直接お会いして、「手話がお上手ですね」とお伝えしたら、「いやいや、とんでもないです!」と謙遜されていましたが、吉沢さんは相当な努力をされて、わずか数カ月で手話を身につけられたんだと思います。素晴らしい方に主役を演じていただいたなと。吉沢さんでなければ、映画が成立しなかったかもしれないと思いました。
ーー吉沢さんが演技についてアドバイスを求めることは?
呉監督撮影現場での彼のたたずまいは、まるで「職人」なんです。私がこのようにして欲しいと言うと「はい」とだけ答えて的確にその表現をしてくださる。
多くを語らずとも求める以上のものを出してくれました。誠実さがある、すごい俳優さんだなと思いました。
ーー原作の映画化について、先ほどの「根底さえ変わらなければ」というのは、具体的にはどのようなものでしょうか?
五十嵐さんコーダやろう者は決してかわいそうな存在ではないというメッセージだけは変えてほしくない、と思っていました。