渋谷すばる「自分は歌いたいんだなってことにあらためて気づいた」
自分の作った1曲以外は歌うことに徹したんですけど、それがすごく楽しかったんです。歌で表現する難しさや深さもあらためて感じて、自分自身とも向き合うことができたすごくいい時間でした。単純に歌うことが好きなんだって自覚したし、自分の中で歌がどれだけ大きな存在かも再認識できて。
――渋谷さんの歌って、うまく歌おうとか、かっこよく歌おうという自意識のようなものがなく、飾り気なくむき出しでこちらに届いてくる感じがするんです。なんであんなにまっすぐ届いてくるんだろうって考えていたんですけれど、歌うときにどんなことを意識されているんでしょうか?
物事を敏感に感じ取るタイプだからなのかもしれないです。楽曲を聴くと作った人の気持ちをダイレクトに感じるし。あと、アルバム制作に関わってくれた周りのスタッフひとりひとりの熱量も大きいかな。曲をいただいたら何回もたくさん歌い込むんですけど、レコーディングが近づいてくるとめっちゃ不安になるんですよ。
いざレコーディングスタジオに入ると、そこにいる人たちの「いいものを作ろう」っていう想いみたいなものを感じてそれを自分なりに変換して歌の中に表現していこうってなる。うまく見せようとか、かっこつけようとか、考えたことがないんでわかんないですけど…そっちにはしたくないなっていうのはあるかもしれない。