環ROY「大人の鑑賞に堪えうる絵本を作りたいと思っている」 最新絵本でこだわった点とは
ラッパーの環ROYさんは、自身の楽曲制作はもとより、ダンサーとのパフォーマンスや、舞台や映画の音楽を手がけるなど活躍のフィールドが幅広い。絵本の制作もその一つ。最新作は『よなかのこうえん』。昼間は見えないけれど、公園には不思議な生き物が棲んでいる。それが夜中になると自由に遊び出し…。そんな子どもの想像を掻き立てるような物語を、リズミカルな文で綴っている。
韻を踏む文字が増えるほど、言葉の強度は上がる。
「昔からそういうモチーフってあるじゃないですか。
トトロとかもそうだと思うんですよね。ちょっと怖いけど、会ってみたい。そんな子どもの頃に誰しも想像するような存在を、絵本の中に登場させたいと思ったんです。それがどこにいるかというと、子どもにとって身近な場所。それなら公園かなと、自然な流れで決まりました」
この絵本がユニークなのは、韻を踏んだ文で、ストーリーが展開されているところ。太字で記された箇所が同じ響きを持つ韻の目印で、そこを強く読むとラップをしているような気分になれる。
「例えば、絵本の中でも『ぼくを探しに』のシェル・シルヴァスタインみたいな作風なら“心に響く系”だと思うけど、こっちはいわば“反応系”。