自然はすべてのひとに贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。
季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。
「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。
命がけで旅に出る鳥
ちょうど今ごろ、9月18日~22日はつばめが南の国へ帰っていく時季、第四十五候「玄鳥去る(つばめさる)」。南から渡ってきて子育てを終えたつばめたちが南の国へ帰り始める、さようならの季節です。つばめは天敵も多く、若いうちに命を落とすことも多いため、平均寿命は一年半といわれているそうです。まさに命をかけて、あの小さな体で数千キロの旅に出るんですね。
毎年この時季になると、空を飛ぶつばめに「がんばるんだよ」と心の中でエールを贈ります。