今よりもっと愛するために、今よりもっと愛されるために、この時季、空を吹きわたる「色なき風」を味わいましょう。
恋の噂のたえないひとを好きになったら
「月草」とも呼ばれる小さな花「露草」は、秋の季語になっています。あの鮮やかな青に、いつもハッとさせられます。幼い頃、妹と露草をハンカチにすりすりして遊びました。露草の青は美しく、好んで染めつけに用いられたそうですが、色はあせやすいので、恋の和歌ではひとの心の移ろいやすさにたとえられることが多かったようです。
「誰にまたうつし心のひとさかり見えてかなしき月草の色」
~大好きなあのひとは誰にまた心を移すことか。いっときだけの盛りが見えて切ない月草の色よ~
恋の噂のたえないモテモテなひとと深い仲になったものの、かなしい思いはしたくないから、一途に期待するのはやめよう。そんな思いを月草のはかない色に重ね詠んだ和歌です。
苦しく切ない思いも芸術に昇華させると、なんとなく心が救われる気がするから不思議ですね。
いかがでしたか?テレビでマツコ・デラックスさんが若者の恋愛事情を特集した番組の中で、「恋は落ちるもの。考えが老けていては難しい」と話していた言葉が印象的でした。