アジアのアートと歴史に迫る!「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」開催
このセクションでは、そのうちシンガポールのザ・アーティスト・ビレッジ(TAV)の活動を総覧できるコウ・グワンハウの「シンガポール・アート・アーカイブ・プロジェクト」(2007年)をはじめ、いくつかの例を紹介します。
●■さまざまなアイデンティティー
アラヤー・ラートチャムルンスック《私たちが若かったころ》(「女性像」シリーズより)1990年
所蔵:森美術館、東京
脱植民地主義の時代に入り、独立や民主化が人々にもたらしたのは、新しい国家としてのアイデンティティー、民族としてのアイデンティティー、個人としてのアイデンティティーなど、自らを成り立たせているアイデンティティーとは何か、という問いでした。この複雑な問いは、冷戦構造が終焉を迎えた1989年以降、それまでのイデオロギーに替わる新しい価値の基軸を求める世界各地で共有されたものでもありました。この時期に制作された現代美術の作品には、さまざまなレベルでアイデンティティーを問うものが多く見られましたが、これは今日もなお複雑な課題として継承されています。
●■日々の生活
スラシー・クソンウォン《黄金の亡霊(現実に呼ばれて、私は目覚めた)》2014年
パフォーマンス風景:台北ビエンナーレ2014
1990年代以降、多くのアーティストが毎日の暮らしや日常に目を向け始めました。