一般社団法人エコロジック(本社:静岡県富士宮市、代表理事:新谷雅徳)は、富士山西麓の田園風景に囲まれたプライベートのグランピングとエコツアーを満喫できる「MT. FUJI SATOYAMA VACATION(マウントフジ里山バケーション)」を富士宮市白糸の滝そばに2021年3月22日にオープンいたします。【URL】 「MT. FUJI SATOYAMA VACATION」3つの特徴、こだわり1. 四季折々の富士山と里山の景色を満喫できるプライベートグランピング(とにかくダイナミックな富士山を他のキャンパーに邪魔されず、楽しむことができます。)2. Sustainable Tourism (持続可能な観光)をテーマとした高級感溢れるプライベート施設(世界のローカルクラフトで飾られたベルテント、リゾートシャワーを完備した富士山ビュー・プライベートカフェテリア、フェアートレードアートの展示、無料フェアトレードコーヒー、ソーラーパネルによるE-BIKEの充電など)3. 世界から高く評価されている様々なエコツアー体験のご提供(E-BIKE, 富士山トレッキング、酒蔵めぐり、Farm to Table(地産地消)ツアー、ホタルなど生き物観賞、星空観察など)*所要時間:約4~8時間程。(ツアーによって体験時間は変わります。)*英語、フランス語、スペイン語によるガイドの対応も可能です。「MT. FUJI SATOYAMA VACATION」誕生の背景ニシローランドゴリラの保護を目的としたガボンでのエコツーリズム活動など、世界各国でのエコツーリズム開発経験をもとに、2017年から、地元富士宮にてインバウンド向けの富士山自然・文化体験エコツアー(En-Ya Mt. Fuji Ecotours)を実施し、特に欧米豪からのお客様に高く評価されてきました。富士山に見守られながら、世界の人たちと日本の人たちが語りあえる場を作りたいとの思いで、富士宮のエコツアーを満喫できるグランピング施設をオープンすることとなりました。オープニング特別価格(2021年12月31日まで)のキャンペーンを実施より安全に、安心してグランピングを楽しんでいただくため、グランピング施設およびエコツアー体験はすべて、プライベートの一組限定での貸切といたします。1泊2日チェックイン: 15:00からチェックアウト: 11:00まで1組限定:4名~8名(コロナウイルス感染状況によって変更の可能性あり)平日:2万5,000円/人(税別) (※通常価格 5万円~)土・日・祝: 大人:3万5,000円/人(税別)こども(3歳~12歳):2万5,000円/人(税別)*ペット同伴可能:事前にご連絡いただきます。*1日エコツアー追加料金(宿泊者限定特別価格(2021年12月まで)):1万円/人(税別)~【店舗概要】店名:MT. FUJI SATOYAMA VACATION(マウントフジ里山バケーション)所在地:静岡富士宮市狩宿8-2 (白糸の滝から車で5分)TEL:0544-66-5722営業時間:10:00~17:00定休日:不定休URL: ::一般社団法人エコロジックについて代表である新谷は、27年前日本人で初めて海外(ハワイ島)にてエコツーリズムの事業に携わり、その後も国内外で世界各国エコツアーガイドやコンサルタントとして活動を行い、2008年にエコロジックを創業。ミッション: 「エコツーリズムを通じて、世界の多様な自然環境と地域文化と人々の尊厳を守る」モットー: 「Think Globally, Act Locally. Think Locally, Act Globally.(世界を意識して、地域で行動する。地域の経験を活かし、世界を変える。)」JICAなどの国際機関のエコツーリズム専門家として世界各国(2021年3月現在まで:14カ国)で途上国支援を行い、4年前より地元富士宮にて富士山インバウンドエコツアー(En-Ya Mt Fuji Ecotours)開発支援を行っています。この度、富士山の麓で、より質の高いエコツアーを国内や世界の方々に体験したいとの思いで、3月にグランピングをオープンすることと致しました。これらの活動が評価され、2018年環境大臣賞「日本エコツーリズム大賞特別賞」を受賞し、世界的に有名な観光ガイドブックLonely Planet: Sustainable Escapeの日本代表として選ばれ、代表である新谷は、2019年のオーストラリアのTravellerで「観光で世界を変える31人」に選ばれました。【会社概要】会社名: 一般社団法人エコロジック所在地: 静岡県富士宮市大鹿窪98-14代表者: 新谷雅徳設立: 2008年1月URL: 事業内容:・エコツーリズム開発を専門とする国際協力事業(JICA、世界銀行、日本ASEANセンターなど)・国内外の観光開発(ガイド養成、エコツーリズム開発、講演など)事業・富士山インバウンドエコツアー(En-Ya Mt. Fuji Ecotours): (英語のみ)・富士山グランピング(MT. FUJI SATOYAMA VACATION): ・富士山およびその周辺エリアを活用した、日本人向けの様々な自然・文化エコツアー体験の提供・グランピングおよびエコツアーを活用したワーケーション、企業研修、ウェディングの提供・日本エコツーリズム協会理事としての観光開発支援など【お客様からのお問い合わせ先】MT. FUJI SATOYAMA VACATION(マウントフジ里山バケーション)TEL: 0544-66-5722(10:00~17:00)e-mail: 企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2021年02月25日2019年、日本はどうなるの?政治や経済、時事問題についてわかりやすく解説してくれる、ジャーナリスト・堀潤さん&イラストレーター・五月女ケイ子さんの連載「社会のじかん」のスペシャル版をお届けします!アジアがひとつになる。→堀さんの分析:日本には、中国とアジア各国の間で、調和を図る役割が期待されています。五月女:夏に展覧会を開いたので、台湾に行ってきたのですが、日本文化が浸透していて、受け止められ方も東京とほとんど差がない感じでした。堀:僕もこの間、韓国に行きましたが、韓国と日本双方の文化が融合している印象でした。政治はこれまで対立が目立ちましたが、10月には日中首脳会談があり、日本と中国は共に歩む姿勢が明確になりました。韓国や北朝鮮も2019年は友和ムードを具体化する調整期に入ると思います。五月女:ご近所同士、みんなで仲良くできるのはいいですね!堀:いま、RCEP(アールセップ)(東アジア地域包括的経済連携)という大きな貿易圏を作ろうとしていて、それは、日本や東南アジアだけでなく、中国、インド、韓国、オーストラリア、ニュージーランドを含めて、関税を取っ払い、人やモノやサービスを行き来しやすくしようとしているんです。五月女:EUのような形を目指しているのですか?堀:そうですね。これまで日本はアメリカを最大の同盟相手国にしていましたが、2019年以降はご近所の国々ともっと仲良くしていくことになるでしょう。距離的にも行き来しやすいですし、アジアには山も海も畑もありますから、連携すれば食料を融通しやすくなります。RCEPでは夏冬両方の季節のモノを同時に手に入れられる利点もある。五月女:南半球のオーストラリアも入っていますもんね。堀:日本は少子高齢化が進んで平均年齢は50歳近いですが、東南アジアには平均年齢が30歳くらいの若い国がたくさん。若くて元気でガンガン稼ぐ国々に、おじいちゃんになる日本が支えられながら、先輩として、民主主義のジレンマや法律問題など、経験や知恵を伝えていくという良好な関係は築けるんじゃないかと。五月女:おじいちゃんですか!堀:アジアのなかでは、一帯一路構想を持った中国が覇権を広げています。カンボジアは中国の影響を強く受けて、経済的支援を受ける代わりに反政府的な勢力を抑えつけるなど、民主化が揺らいでいるんです。そんなカンボジアと中国の間に日本が入り、調整役をすることも世界的には期待されています。現場を見守る顧問のような存在として。五月女:現役選手ではないんですね。堀:素晴らしい立ち位置だと思いますよ。ただ中立的な立場で調整役に立つには、日本国内が安定していることが必須。残念ながら日本は格差が広がり、経済成長も横ばい。足りない労働力を海外からただ安く入れようとしたらいずれ分断を生み、社会は荒れてしまいます。外国人と共存できる環境を整えることが先決でしょうね。2019年の日本は踏ん張りどきだと思います。五月女:外国人労働者は、おもてなしの気持ちで迎えるべき?堀:いえ、そういうお客さん扱いではなくて、「一緒に働く仲間」として対等に支え合う関係を築けるのが理想ですね。日中首脳会談日本と中国は、競争から協調へ。’18年後半、首脳会談を3度も行った安倍首相と習近平国家主席。9月に、ロシアで開かれた東方経済フォーラムの場で。10月には総理大臣として約7年ぶりに訪中。11月末にもG20サミットが行われたアルゼンチンで。日中の関係改善に向けて一気に加速!©新華社/アフロRCEPとTPP11アジアに巨大な貿易圏が生まれる。RCEPは、’11年にASEANが提唱。日中韓印豪NZの6か国がASEANと結んでいる5つの自由貿易協定を統合し、東アジアでの共同体作りを目指す。TPP11は環太平洋地域の国々の経済の自由化を目的とする協定。アメリカが離脱し11か国で12月30日に発効する。一帯一路構想中国は西へ!現代版シルクロード。一帯とは、中国西部から中央アジアを経由し、欧州へと続く「シルクロード経済ベルト」を指す。一路は、中国沿岸部から東南アジア、アラビア半島沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」のこと。中国主導を警戒していた日本も、現在は協力を表明。堀 潤さん(写真左)ジャーナリスト。「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『モーニングCROSS』(TOKYO MX)ほか、レギュラー多数。五月女ケイ子さん(写真右)イラストレーター。ツイッターは@keikosootome。楽しいグッズ満載のオンラインストア「五月女百貨店」は@sootomehyakka。※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年01月03日「第2回 日・ASEAN音楽祭」が2018年10月4日(木)に東京・NHKホールにて開催される。2013年の第1回以来5年ぶりの2回目の開催となる「日・ASEAN音楽祭」。第1回は日本だけでなく、ASEAN各国でもその様子が放送され、広い規模で好評を博した。今回も日・ASEAN特別大使を務める杉良太郎の呼びかけに賛同し、日本とASEAN各国から豪華アーティストが集結。日本からは関ジャニ∞、乃木坂46、w-indsなどのグループをはじめ、三代目J Soul Brothersの今市隆二、登坂広臣らが出演。人気アーティストたちが日本と東南アジアの友好の懸け橋となり、イベントを盛り上げる。また、男性司会者として、芸人・古坂大魔王が扮し高い世界的認知度を誇る「ピコ太郎」が登場。アーティスト以外も国際イベントならではのスペシャルなゲストで彩られる。【詳細】第2回 日・ASEAN音楽祭開催日時:2018年10月4日(木) 19:00開演会場:NHKホール住所:東京都渋谷区神南2丁目2-1チケット料金:8,000円(全席指定)<出演アーティスト>関ジャニ∞/乃木坂46/今市隆二(三代目J Soul Brothers)/登坂広臣(三代目J Soul Brothers)/w-inds/伍代夏子/ファクルーウ・ラジ/プレアップ・ソバット/アンディン/アレクサンドラ/シティ・ヌルハリザ/サイ サイ カンレン/サラ・ヘロニモ/タウフィック・バティサ/パラポン/ドン・ニー【問い合わせ先】日・ASEAN音楽祭実行委員会事務局TEL:03-3478-6152
2018年06月01日アジアでの販売エリアをさらに拡大花王株式会社は2018年4月15日(日)よりシンガポールでソフィーナの販売を開始する。ソフィーナは同社の女性向け化粧品ブランドの1つ。導入されるのは「ソフィーナ iP」、「ソフィーナ ボーテ」、「ソフィーナ プリマヴィスタ」ほかである。販売が開始されるシンガポール伊勢丹スコッツ店にはソフィーナのカウンターを設置。そこに同社独自の肌解析技術を使ったカウンセリングコーナーも設ける予定だ。アジアでソフィーナが導入されるのは台湾、香港、中国大陸に続いて4ヵ国目。ASEAN(東南アジア諸国連合)では初となる。同社ではアジアにおける販売エリアのさらなる拡大を目指している。世界の暮らしをもっと豊かにソフィーナの誕生は1982年。1985年には台湾と香港、2004年には中国大陸での販売を開始している。以来、各国市場で順調に成長を続けてきた。今回、シンガポールでの販売を開始することによりアジアにおけるソフィーナの認知を強め、ブランド力を強化するという狙いが同社にはある。それと同時に各国の利用者とのコミュニケーションを重視。ソフィーナカウンターの設置も利用者1人1人との対話を大事にし、ニーズに応えようという同社の想いがあるからこそ。同社ではソフィーナの販売を通じて世界の人々の暮らしがもっと豊かになるよう貢献していきたいと考えている。(画像はプレスリリースより)【参考】※花王株式会社プレスリリース
2018年04月16日国立新美術館と森美術館にて10月23日(月)まで開催中の東南アジア現代美術展「サンシャワー:東南アジアの現代美術展1980年代から現在まで」の関連企画として、8月10日(木)から4日間ジャンル別に、東南アジア映画を特集上映する「FUN!FUN!ASIAN CINEMA@サンシャワー」が実施される。国立新美術館と森美術館、国際交流基金アジアセンターが主催する同展覧会では、今年ASEAN(東南アジア諸国連合)50周年を記念し、東南アジアの現代美術を史上最大規模で展示。時代の潮流と変動を背景とした1980年代以降の東南アジアの現代アートの「発展」を9つの視点から掘り下げ、そのアートが持つダイナミズムと多様性を紹介している。同展の関連企画として実施される本イベントでは「ドキュメンタリーの日」、「アクションの日」、「オムニバスの日」、「愛&友情の日」とジャンル別に違ったテーマで全4日間、映画が上映される。8月10日(木)実施の「ドキュメンタリーの日」では、2つのプロジェクトから作品を上映する。1つは、毎年異なるテーマで日本と東南アジアの若手映像作家を対象に短編ドキュメンタリー作品を募集する「Visual Documentary Project」から、2015年(テーマ「越境する東南アジア」)と2016年(テーマ「日常生活のポリティクス」)にセレクトされた作品を上映。映像を通して東南アジアの現状を捉え、諸問題の解決へとつなげたいという想いが込められている。もう1つは、ドキュメンタリーの国際共同制作を支援する「Tokyo Docs」で誕生したプロジェクト「Colors of Asia」から「アジアのいまを生きる女性たち」をテーマにした2作品を上映。■「Visual Documentary Project」2015セレクション<12:10開場/12:30開映>・『2人のマイケル』(タイ、29分)・『ジウおじいちゃんへ捧ぐ』(ベトナム、23分)・『儚さ』(マレーシア、9分)・『私の足』(ミャンマー、16分)『我が政治人生』(ミャンマー、20分)■「Visual Documentary Project」2016セレクション<14:20開場/14:40開映>・『森に生きる女たち』(マレーシア、15分)・『60日』(ミャンマー、31分)・『鉱脈』(ミャンマー、31分)■Tokyo Docs「Colors of Asia」<16:10開場/16:30開映>・『日曜日のシンデレラ』(2015,日本、フィリピン,29分)・『ラグビーと女のわたし』(2016,日本、ラオス,25分)8月11日(金・祝)実施の「アクションの日」ではベトナム、インドネシア、ブルネイの3作品『超人X.』(2014,ベトナム,81分)、『レボリューション・ティガ』(2015,インドネシア,125分)、『ドラゴン・ガール』(2014,ブルネイ,110分)を上映。映像を通して各国の伝統武術を取り入れたものや、社会や文化を垣間見ることが出来る。■『超人X.』<12:40開場/13:00開映>■『レボリューション・ティガ』<14:30開場/14:50開映>■『ドラゴン・ガール』<17:100開場/17:30開映>8月12日(土)実施の「オムニバスの日」ではシンガポールの監督7人がラブレターをテーマに制作した『セブンレターズ』(2015,シンガポール、マレーシア,116分)、東南アジアの画家が描いた作品からインスピレーションを得た5人の監督による『Art Through Our Eyes』(2016,シンガポール,30分)、「アジアでともに生きる」というテーマでフィリピン、日本、カンボジアの気鋭監督がメガホンをとった『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』(2016,日本,118分)を上映。特に『Art Through Our Eyes』は、「サンシャワー展」でも注目のタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督、フィリピンのブリランテ・メンドーサ監督らの独特の世界観が並ぶ珠玉の作品だ。■『セブンレターズ』<12:40開場/13:00開映>■『Art Through Our Eyes』<15:10開場/15:30開映>■『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』<17:10開場/17:30開映>8月13日(日)実施の「愛&友情の日」では、愛と友情をテーマにした『SHIFT~恋よりも強いミカタ』(2013,フィリピン,81分)『グッバイ・ボーイズ』(2005,マレーシア,88分)『イロイロぬくもりの記憶』(2013,シンガポール,99分)の3作品を上映。■『SHIFT~恋よりも強いミカタ』<11:40開場/12:00開映>■『グッバイ・ボーイズ』<13:30開場/13:50開映>■『イロイロぬくもりの記憶』<15:30開場/15:50開映>また、本イベントのほかにも、東南アジアの歴史やファッション、食など8テーマから成るレクチャーシリーズ「寺子屋サンシャワー」、日本と東南アジアの若手上映専門家の共同プログラミングによる映画上映会「ワーキングタイトル」など、9月にかけてイベントが目白押し。こちらも併せてチェックしてみて。「FUN!FUN!ASIAN CINEMA@サンシャワー」は8月10日(金)~13日(日)、国立新美術館3階講堂にて開催、参加費は無料。※定員は各回260名。(予約不要、各回入替制・先着順)※鑑賞には「サンシャワー展」の国立新美術館単館券もしくは二館共通券[半券可]が必要。※作品の解説・あらすじは国際交流基金アジアセンター公式サイトをチェック。(text:cinemacafe.net)
2017年07月28日ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国の1つ、ブルネイで初の女性監督シティ・カマルディンを日本に招き、3月31日(金)、監督作品の青春ラブ&アクション『ドラゴン・ガール』無料上映会、およびトークショーが開催されることになった。厳格な父に男手ひとつで育てられた自由奔放な女子高生ヤスミン。ある日、初恋の相手アディがシラット(東南アジア発祥の伝統武術)国際大会で優勝し、町に帰ってくる。しかし、私立高校シラット部の女子チャンピオンであるデヴィが、アディに急接近していく。アディを振り向かせたいヤスミンは、公立高校の弱小シラット部に入部、3週間後のシラット大会にエントリーを果たす。部員3人、コーチも頼りない状況の中、はたしてヤスミンは大会でライバルを倒し、憧れの彼を振り向かせることはできるのか――。シティ・カマルディン監督は、イスラム教国のブルネイで初の女性映画監督。上映作『ドラゴン・ガール』は、2014年に制作されたブルネイ初の国際的な長編映画で、数多くの映画祭のコンペに参加し、スイスの「ヌシャテル国際ファンタスティック映画祭」で最優秀アジア映画賞を受賞するなど、高い評価を得ている。日本では「第10回大阪アジアン映画祭」(2015年)にて初めて上映され、好評を博した。格闘技シラットを通して成長していくブルネイの女子高校生の姿を描いた本作は、アクションシーンはジャッキー・チェンの武術監督であるチャン・マン・チンが監修。息もつかせぬ本格的アクションが満載ながら、ヤスミンの初恋のゆくえも気になる青春ラブロマンスの要素も。また、“インドネシアのトム・クルーズ”といわれ、人気を博しているイケメン俳優、レザ・ラハディアン(『タクシードライバー日誌』)も父親役で出演している。当日は本編上映後、カマルディン監督とともに、『99分、世界美味めぐり』東京撮影ライン・プロデューサーなど務めた映画プレゼンター/キュレーターの松下由美氏を迎え、本作やブルネイの映画事情などについて読み解いていく。本上映会は、国際交流基金アジアセンターがASEAN10か国からさまざまな分野の文化人を招へいする「アジア・文化人招へいプログラム」の一環として実施するもの。今後も、定期的に東南アジア映画を紹介する上映会を実施していく予定というから楽しみだ。『ドラゴン・ガール』上映会は3月31日(金)18時45分開演(18時15分開場)、新宿区・四谷区民ホールにて開催。※入場無料、予約不要、定員300名(text:cinemacafe.net)
2017年03月26日国立新美術館と森美術館では、2017年7月5日(水)から10月23日(月)まで、「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」が開催されます。 ASEAN(東南アジア諸国連合)設立50周年にあたる2017年、東南アジアの現代美術を紹介する、史上最大規模の展覧会です。今回の展覧会は、国立新美術館と森美術館の両館長が発案し、国際交流基金の賛同により実現したもの。3者が総力を挙げ、2年半にわたる現地調査を経てASEAN10カ国より85組(予定)のアーティストを選定、計約180点の作品を2館の会場に展示する、初の共同企画展となります。時代の潮流と変動を背景とした東南アジアにおける1980年代以降の現代アートの発展を9つの視点から掘り下げ、そのダイナミズムと多様性に迫りましょう。ASEAN(東南アジア諸国連合って何?インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス(50音順)東南アジア10か国から成るASEAN(東南アジア諸国連合)は1967年のバンコク宣言によって設立されました。原加盟国は、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国で、1984年にブルネイが加盟後、加盟国が順次増加し、現在は10か国で構成されています。2015年に共同体となったASEANは、過去10年間に高い経済成長をみせており、今後、世界の「開かれた成長センター」となる潜在力が世界各国から注目されています。※出典:外務省ホームページ(セクション構成と主な作品を、美術館ごとにご紹介!●国立新美術館 企画展示室2E国立新美術館の展示は5つのセクションにわかれています。地図からみるアジアの成り立ち、厳しい戦争下での芸術作品、そして日常の生活に至るまでを数々の作品でたどりましょう。●■うつろう世界イー・イラン《うつろう世界》(「偉人」シリーズより)2010年Courtesy: Silverlens Galleries, Makati, The Philippines世界のいかなる地域や時代においても、地図には政治的、経済的に多様な価値観や視点が織り込まれています。アーティストが描き出す地図は、単に地理的な特徴を記すのではなく、東南アジアの複雑な歴史と空間を表しています。このセクションでは、異なる視点から土地とその意味を見つめる複層的な地図、人々の移動を記録することで記憶を呼び起こす地図、理想的な社会を求めた想像上の地図などをとおして、東南アジアという空間を考えます。●■情熱と革命ホー・ルイ・アン《ソーラー:メルトダウン》2014年~Courtesy: Maezawa Hideto; TPAM Performing Arts Meeting in Yokohama, 2016東南アジア諸国の多くは、第二次世界大戦後の1940年代から80年代まで、植民地支配からの独立が続きました。その間、独立戦争、インドシナ戦争、ベトナム戦争、カンボジア内戦などが起こり、一方では芸術表現への抑圧や弾圧が続いた国も見られました。そうした環境のなかで、多くのアーティストは民主化や表現の自由、言論の自由に向けた活動を行ってきました。このセクションでは、こうした時代をリアルタイムで体験したアーティストの作品を中心に紹介します。●■アーカイブコウ・グワンハウ《シュ・ティエシェン――アーカイブから見る作家の100年》2014年撮影:Koh Nguang How近年、インターネットの発達によって、それまで発見や入手が困難だった情報へのアクセスが容易になり、それを起点にした調査研究をもとに、美術資料をアーカイブ化しようとする動きが見られます。東南アジアでも、各地で蓄積されてきた資料が公開されつつあり、その一方で、美術資料そのものを素材として作品化するアーティストも増えてきました。このセクションでは、そのうちシンガポールのザ・アーティスト・ビレッジ(TAV)の活動を総覧できるコウ・グワンハウの「シンガポール・アート・アーカイブ・プロジェクト」(2007年)をはじめ、いくつかの例を紹介します。●■さまざまなアイデンティティーアラヤー・ラートチャムルンスック《私たちが若かったころ》(「女性像」シリーズより)1990年所蔵:森美術館、東京脱植民地主義の時代に入り、独立や民主化が人々にもたらしたのは、新しい国家としてのアイデンティティー、民族としてのアイデンティティー、個人としてのアイデンティティーなど、自らを成り立たせているアイデンティティーとは何か、という問いでした。この複雑な問いは、冷戦構造が終焉を迎えた1989年以降、それまでのイデオロギーに替わる新しい価値の基軸を求める世界各地で共有されたものでもありました。この時期に制作された現代美術の作品には、さまざまなレベルでアイデンティティーを問うものが多く見られましたが、これは今日もなお複雑な課題として継承されています。●■日々の生活スラシー・クソンウォン《黄金の亡霊(現実に呼ばれて、私は目覚めた)》2014年パフォーマンス風景:台北ビエンナーレ20141990年代以降、多くのアーティストが毎日の暮らしや日常に目を向け始めました。国際的にもグローバル化や多文化主義が拡がり、世界各地それぞれの平凡な日常のなかに文化的、社会的、歴史的文脈を見出し作品化することが、新しい世代の表現として注目されたのです。そこでは、家族との思い出、毎日の食事や遊び、路上での多様な営みが、絵画、写真、映像、インスタレーションなどのメディアをとおして現代美術の文脈に持ち込まれました。同時期、世界各地で急速に拡張した国際展では、新しい世代のアーティストが注目され、東南アジアのアーティストも世界へ活躍の場をひろげていきました。●森美術館森美術館では4つのセクションから、急激な経済発展に隠された闇や多様に発展した宗教や文化、そしてアートを通して世代をこえた対話を試みます。●■発展とその影ジョンペット・クスウィダナント《言葉と動きの可能性》2013年所蔵:森美術館、東京総人口6億人を超えるASEANは、世界的にも今後の成長が期待されており、自由貿易によって生まれる巨大市場に海外資本も注目しています。成長率は国によって異なりますが、高度経済成長とそれに伴う開発は、都市部の景観を急速に変え、人々の生活にも劇的な変化を及ぼしています。その影で社会には格差が生まれ、伝統的な文化が喪失されることへの懸念もあります。アーティストは、しばしばそうした変化を批評的に見つめています。●■アートとは何か?なぜやるのか?公的な美術館など現代美術のための制度が発展途上にある東南アジアでは、創造活動の目的も現代美術を取り囲む制度内での成功に限定されていません。むしろ、若い世代のアーティストのなかには、環境問題や離散する地域社会などコミュニティーのさまざまな課題へ向けてアートに何ができるのかを問う姿勢が顕著に見られます。コミュニティーに介入し、一般の人たちの参加を求めるソーシャリー・エンゲイジド・アートの実践や、コレクティブ(集団)としての活動は、日本よりも色濃く見られる特徴のひとつと言えるでしょう。●■瞑想としてのメディアコラクリット・アルナーノンチャイ 《おかしな名前の人たちが集まった部屋の中で歴史で絵画を描く3》 2015年Courtesy: Carlos/Ishikawa,London; Clearing,Brussels/New York東南アジア諸国では多様な民族、言語、文化、宗教が共存しており、そこで継承されている年中行事や祭祀は、成長や開発が進む今日においても日々の暮らしに密接に関係し、現世だけでなく死後の世界や超自然界に向けられた関心などにも繋がっています。このセクションでは、古来の自然信仰から特定の宗教まで、より幅広い神秘的で崇高な世界を、伝統的な工芸のテクニックや思想をとおして作品化しているアーティストを紹介します。●■歴史との対話東南アジアの新しい世代のなかには、さまざまな政治的、経済的、社会的な変化を繰り返してきた地域の歴史、とりわけ戦争や抑圧の歴史を訪ね、記憶を継承しようとする動きが見られます。また、現代アートの発展に大きな貢献をしてきた先の世代のアーティストの実践を、現代に継承しようとする意識も見られます。このセクションでは、歴史の再訪や、世代を超えた対話をとおして、今日の社会や現代美術をより大きな歴史のなかに位置づけようとしている作品を紹介します。六本木エリアの2つの美術館での開催となる今回の展覧会。ぜひ足を運んで、東南アジアの今までとこれからをアートをとおして感じてみましょう。【イベント概要】名称:ASEAN設立50周年記念「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」会期 : 2017年7月5日(水)〜10月23日(月)会場 : 国立新美術館 企画展示室2E、森美術館主催 : 国立新美術館、森美術館、国際交流基金アジアセンター一般問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600展覧会HP:観覧料:【2館共通】(一般)当日1,800円、前売り1,600円(大学生)当日800円、前売り600円【単館】(一般)当日1,000円、団体800円(大学生)当日500円、団体300円※高校生及び18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は無料。※障がい者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は無料。※学生は身分証等をご提示ください。※団体券は各館で販売(国立新美術館は20名以上、森美術館は15名以上で団体料金を適用)します。※前売券(2館共通のみ販売)は、展覧会ホームページでお求めください。(販売期間については、後日、展覧会ホームページにてお知らせします。)※サントリー美術館、森美術館、国立新美術館で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、相互割引「あとろ割」(200円引)が適用されます。※森美術館併設の展望台 東京シティビュー、屋上 スカイデッキ、森アーツセンターギャラリーへの入館は別料金になります。■各会場案内【国立新美術館 企画展示室2E】住所〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2開館時間10:00〜18:00(毎週金曜日・土曜日は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで休館日毎週火曜日美術館ホームページアクセス東京メトロ千代田線 乃木坂駅青山霊園方面改札6出口(美術館直結)【森美術館】住所〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー53階開館時間10:00〜22:00(毎週火曜日は17:00まで)※入場は閉館の30分前まで休館日会期中無休美術館ホームページwww.mori.art.museumアクセス東京メトロ千代田線 六本木駅 1C出口徒歩0分(コンコースにて直結)
2017年03月23日日本の歴史や文化、テクノロジーや暮らしを届けるスペシャリティストア「ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur」が、マレーシア・クアラルンプールに2016年10月27日オープンした。 「本物の日本」を世界へ発信画像提供:三越伊勢丹ホールディングス 三越伊勢丹ホールディングスは2016年10月27日、クールジャパン機構と共同で「ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur」をマレーシアの首都クアラルンプールにオープンした。かつて「クアラルンプール伊勢丹LOT10店」だった建物を全館改装。日本のリアルな暮らしぶりやこだわりを海外に届けるという、全く新しいストアに生まれ変わった。「日本の暮らしを海外の皆さまの日常に取り入れ、役に立てていただきたい」という願いのもと、現地の人々やクアラルンプールに集まる世界中の人々に向けて「本物の日本」を発信していく。 全商品が高品質な日本発の品ぞろえ画像提供:三越伊勢丹ホールディングス 総店舗面積は約11,000平方メートル。地下1階から地上5階の6層で構成されるフロアには、海外初進出ブランドを含め約200店舗が出店し、全てが日本発の商品で埋め尽くされている。 画像提供:三越伊勢丹ホールディングス フロアデザインは、従来の百貨店らしいレイアウトから脱却。フロア全体を回遊式日本庭園に見立て、フロアごとにピックアップ商品を陳列する「東屋」を配置するという。こうしたレイアウトは海外店舗初の試みだ。設計・デザインは、伊勢丹新宿本店の再開発において環境デザインを手がけた株式会社丹下都市建築設計代表取締役社長の丹下憲孝氏と、GLAMOROUS co.,ltd.代表取締役社長の森田恭通氏が担当した。 画像提供:三越伊勢丹ホールディングス 各フロアのコンセプトは以下の通り。 ・GF「THE MUSEUM experience the ultimate japan」ファッション、アート、テクノロジーなど日本の多様性を表現。・1F「THE STUDIO experience the fashion live」ファッションカルチャーを提案し、ASEANのファッションピープル向けの情報発信スペースも設置。・2F「THE ROOM experience the grateful lifestyle」美しく健康的な日本の生き方、暮らし方をライフスタイル型のショップ展開で提案。・3F「THE CUBE experience the inspirating culture」「感じる」「知る」「創る」という3つのゾーンで、心や体に刺激を与える日本のカルチャーを体験。・4F「THE TABLE experience the premium dining」「和食」の味をお届けするため、総合和食、寿司、焼鳥、とんかつ、焼肉等の約6店舗の名店が揃う。※レストランフロアは、2017年1月にオープン予定。・LGF「THE MARKET experience the seasonal flavors」四季の移ろいや歳時記、本物の日本の味や、テクノロジーによる新しい食のスタイルを提案。 ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur・所在地:LOT10 50 Japan Sultan Ismail 50250 Kuala Lumpur, Malaysia・営業時間:11時~21時(LGFから3Fまで)・URL:
2016年11月15日photo:PIXTA東南アジア諸国連合(ASEAN)共同体が2015年12月31日発足した。加盟10カ国の人口は約6億2000万人。EUを上回る巨大経済圏の誕生に、多くの人々が旅行やビジネスの活発化を期待している。しかし、ASEAN共同体が描く道のりは平たんなものではなく、多く課題があるのも事実。そこで今回は、ASEAN共同体とはどのような枠組みなのか、そして共同体誕生で東南アジア域内の旅行がどう変わるのかに焦点を当ててみたい。そもそもASEAN共同体とはASEAN共同体とは、「経済」「政治・安全保障」「社会・文化」の3つの共同体からなる超国家的枠組み。経済ニュースで良く目にするASEAN経済共同体(AEC)とは、これら3つのうちの1つ(経済)のこと。AECが目指すのはASEAN域内を単一の市場・生産基地にすること。これを実現するためにASEAN先行加盟6カ国(インドネシア、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、フィリピン、タイ)の域内関税の大部分を撤廃し、後発4カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)でも2018年までに原則撤廃する見込みだ。©TRIPPING! シンガポール マリーナベイしかし、域内の経済格差がまだ大きく、シンガポールやマレーシアなどの高所得国が低所得国の経済を飲み込むとの懸念がある。最も所得ギャップが大きいのがシンガポールとカンボジアで、一人当たりGDPは約52倍の差がある。©ASEAN-Japan Centre カンボジアプノンペン「経済」「政治・安全保障」「社会・文化」の3つのうち経済が先行しており、「政治・安全保障」「社会・文化」に関する枠組みは今後具体化される見込みだ。社会・文化に関してはこのほどベトナムのグエン・タン・ズン首相が「ASEAN共同体」の一つ、社会文化共同体(ASCC)のマスタープランを承認したばかり(ベトナム通信)。同マスタープランでは2025年を達成目標年度としており、各省庁・機関、市・省などが年内に行動計画を策定する。ASCCは、社会の格差是正、福祉・サービスの平等、人材育成、国民の健康への脅威に対する公共力の強化などを目指す。「政治・安全保障」分野でもこれから具体的な施策が話し合われる予定だ。フィリピンとインドネシアのASEAN航空自由化批准がカギphoto:PIXTAASEAN共同体発足で域内観光が活発化すると期待されていた理由は、AEC発足に合わせて域内航空市場が自由化される計画だったからだ。しかし、フィリピンとインドネシアが航空自由化協定への批准を見送ったため、まだ実現していない。他の8カ国は批准している。航空自由化が実現すると、自国から他のASEAN諸国のすべての都市に乗り入れが可能になる。現在、フィリピンはマニラ以外の都市、インドネシアはジャカルタのみに乗り入れを限定している。©ASEAN-Japan Centre マニラマカティ地区ASEAN域内での乗り入れ自由化が達成された先には、完全な単一航空市場を創設する計画がある。この計画が実現すると、域内他国から域外国に就航したり、域内他国間で路線を運航したりできるようになる。完全な単一航空市場が実現すると、航空運賃の低価格化、サービス改善など旅行者への恩恵は大きい。フィリピンとインドネシアが批准を見送った理由は、セキュリティ上の問題に加え、競争激化で自国航空会社が影響を受けるというもの。こうした問題への対処枠組みを作り、懸念を払拭するのが、批准の促進につながるはずだ。日本人旅行者の東南アジア人気や、東南アジアからの訪日需要の高まりを考慮すると、単一航空市場の創出で日本ー東南アジア間の路線が一気に増えることも考えられる。そうなると東南アジアがより身近になり、旅行をする機会も増えることになるだろう。(text : 細谷 元)ビジネスコラム「アジBiz ~1分で読める東南アジアのビジネス情報」>その他の記事はこちら
2016年03月04日写真:PIXTA東南アジアで航空市場の単一化を目指す「ASEANオープンスカイ」が2015年末までに完全実施されるのに備え、東南アジア各国の空港、航空会社はインフラ投資に力を入れている。オープンスカイは、航空サービスを自由化し航空会社が域内を自由に航行できる協定のこと。観光産業に力を入れたいシンガポール、ベトナム、タイの動向を紹介するとともに東南アジア域内の旅行がどのように変容するのか考察したい。シンガポールでは2030年までに空港利用者数が1億人に達する見込み©TRIPPING! チャンギ空港シンガポールではこのほど、チャンギ空港の第5旅客ターミナルや第3滑走路を整備する拡張工事「チャンギ・イースト開発」の事業費について同国政府が民間会社と共同出資し、工事を加速することを明らかにしている。シンガポール政府が共同出資することを決定した背景には、韓国、香港、タイなどアジア太平洋地域の空港との競争激化がある。シンガポール政府の狙いは、チャンギ空港を域内の航空ハブとして地位を強固にすることだ。開発用地は、現在の空港用地の約4分の3の規模に及ぶ1000ヘクタール(東京ドーム約210個分)。新ターミナルや滑走路に加え、タクシー用道路、駐機場、カーゴ施設なども建設する予定だ。©TRIPPING! 第5ターミナル工事の様子(ターミナル間を繋ぐスカイトレインの中から撮影)チャンギ空港第5ターミナルは2020年半ばの完成が予定されている。第5ターミナルの旅客処理能力は、当初年間5000万人とされているが、必要に応じて7000万人に拡張される可能性もある。これは現在稼働している第1~3ターミナルの合計を上回る処理能力になる。専門家らによると、チャンギ空港の旅客数は30年までに1億人に達する可能性がある。14年の年間旅客数は5410万人だった。同年の羽田の旅客数は7000万人、成田は約3500万人。チャンギ空港ではすでに第4ターミナルの建設工事が始まっている。また、第1ターミナルの拡張工事も進んでいる。第4新ターミナルと第1ターミナルの拡張工事が完了する18年には年8500万人に拡大する見込み。ベトナムでは、新たに4空港を建設予定©TRIPPING!ベトナムでも空港インフラへの投資は加熱している。ベトナム航空はこのほど、ボーイング787ドリームライナー19機とエアバス350-900XWB14機を15~19年に導入することを発表した。これら新型機では飛行中にWiFiも使えるようになる。格安航空ベトジェットエアも機材購入を発表。14年にはエアバスと購入・リースで合計100機を調達する契約を締結し、15年にもエアバスA321を6機を発注した。また、タイの航空会社カンエアーとの合弁でタイ・ベトジェットエアを設立。ベトナム南部カントー市とバンコクを結ぶ路線に就航するなどしている。また同国のタンソンニャット国際空港でもT2国際ターミナルの拡張計画が進んでいる。拡張工事が完了すれば、年間に約1300万人(現在比300万人増)の利用が可能となる。10~14年のベトナム国内の旅客数は年平均12%の成長となり、年間旅客数は2107万人から3316万人に増えた。貨物輸送も年平均12.67%伸び、年間輸送量は46万トンから74万1000トンに急増している。国内にある各国際空港の利用も増加している。伸び率は、カムランで年平均25.5%増、ビンで34.8%増、フークオックで24.7%増などとなっているほか、タインホア省のトースアン空港では過去2年間に年平均70.5%という驚異的な伸びとなった。この需要増を背景に、ベトナム政府は空港数を現在の22から、20年までに26に増やす計画だ。タイでは国内6空港の拡張に計1400億バーツを投入予定©TRIPPING!バンコク国際空港タイでは、バンコク国際(スワンナプーム)空港の利用客が15年度(14年10月~15年9月)に累計5200万人と、処理能力を15%上回る見込みだ。こうした利用客増を背景に、バンコク国際空港の拡張工事が16年初めから開始される予定になっている。バンコク国際空港の拡張を実施するのは、国営タイ航空会社(AOT)。AOTは、スワンナプームのほかに、ドンムアン空港など計6空港を運営しており、今後5年間でこれら6空港の拡張計画に総額1300億~1400億バーツ(約4200億円)を投資する予定だ。スワンナプーム、ドンムアンの両国際空港は、処理能力を現在の計6350万人から1億2000万人に引き上げる。また、南部プーケット、同ハジャイ、北部チェンマイ、同チェンライの地方4空港の処理能力を引き上げる拡張工事を進める予定だ。©TRIPPING!バンコク国際空港AOTによれば、6空港の15予算年度の当初8カ月(14年10月~15年5月末)の離着陸便数は、前年同期比12.4%増の計47万1499便で、このうち国際線が同7.5%増の24万3213便、国内線が同18.2%増の22万8286便となった。乗客は前年同期比19.6%増の7215万8000万人。内訳は、国際線利用客が16.5%増の4165万7000人、国内線利用客が20.1%増の3050万1000人。国別では、中国人乗客が最も多く、次いで、日本、韓国、ロシア、インドの順だった。オープンスカイ実施で旅行者に大きな恩恵旅行者にとっては、オープンスカイの実施で、東南アジア域内を行き来する便が増えるだけでなく、航空運賃の低下も見込めることから大きな恩恵となるのは間違いなさそうだ。ただインフラ整備には膨大な資金だけでなく、人手やノウハウなども必要になってくる。これらをすべて調達するのは簡単なことではない。特に、東南アジア各国が同時にそれを行おうとすれば、リソースの取り合いになる場合もあるかもしれない。実際、上記紹介した空港の拡張工事では一部遅れが出ている。東南アジアの各空港と航空会社は手探りでオープンスカイへの準備を進めている段階ともいえる。私たちが恩恵を受けるのは早くても2~3年はかかるだろう。ただ、長期的に見れば東南アジア域内の旅行が容易かつ快適になるのは確実だ。また、地方空港の整備や各航空会社が新路線を就航しており、これまであまり知られていなかった場所へ容易に行けるようになることも旅行者にとって嬉しいことだ。東南アジアは同じ国でも異なる民族が暮らしており、それぞれの文化を持っている。多様性を感じる場所に行けることは、旅を一層楽しくしてくれるだろう。(text : 細谷 元)ビジネスコラム「アジBiz ~1分で読める東南アジアのビジネス情報」>その他の記事はこちら
2015年10月27日ジェイ エイ シー リクルートメントは18日、アジア9カ国の給与水準調査「The Salary Analysis in Asia 2015」を発表した。それによると、ASEAN地域の日系企業では、日本語人材の需要が高く、給与もローカル人材と比べて3~4割程高いことがわかった。要因としては、現地のオペレーションを行う日本人の現地駐在員の語学力不足により、ローカル人材よりも選択肢が少ない日本語人材の採用を求める傾向が強いことや、日本の本社が海外の現地法人とコミュニケーションを取る際も日本語を好む傾向があることによるという。国別の給与状況を見ると、マレーシアでは、製造業界の国内営業において、日系企業の英語人材が4.8~6.6万リンギットに対し、日本語人材は3.8~14万リンギットと最大で約2倍の差が出た。このほかの職種でも日本語人材の給与は全体的に高くなっていた。ベトナムでも、製造業界(国内営業)において、日系企業の英語人材より日本語人材の方が3~4割高めに設定されていたほか、エンジニアなどの専門職(機械・メカトロ設計等)でも日本語人材の方が3~4割ほど高かった。一方、中国では、日本語人材より英語人材の方が給与水準は高いことが判明。例えば、製造業界の国内営業は、英語人材が80~200万人民元であるのに対し、日本語人材は60~100万人民元と低かった。これは、中国の就職先は、国営企業、外資系企業、日系企業の順に人気があり、また、給与も日系企業は国営・外資系企業に劣る傾向があるためという。
2015年02月19日みずほコーポレート銀行(以下「CB」)とみずほ銀行(以下「BK」)は28日、国際協力銀行(以下「JBIC」)との間で、CB子会社が運営を予定しているASEAN地域の現地企業(日系合弁企業を含む)を投資対象とするプライベートエクイティ・ファンド(通称「Mizuho ASEAN PEFund」)との連携により、中堅・中小企業をはじめとする日本企業の海外事業展開を支援するための覚書を締結した。同ファンドは、ASEAN地域での現地企業への出資を通じ、中堅・中小企業をはじめとする日本企業の同地域への進出を支援することを目指している。具体的には、日本企業が現地企業に出資する際に同ファンドからも共同出資し、共同出資パートナーとして現地企業の運営サポートを行うことや、日系企業の投資先となり得る現地企業に同ファンドが投資し、日系企業と現地企業とのアライアンス構築を促進することを想定しているという。同覚書においては、同ファンドの投資先企業に対し、CB・BKが事業活動支援や日本の中堅・中小企業との連携促進を行うとともに、JBICとの間で融資提供の可能性に関する情報交換を行うことなどを取り決めている。同覚書の締結を通じ、<みずほ>は、JBIC共に、日本の中堅・中小企業のASEAN地域におけるビジネス展開をサポートしていくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月30日ASEAN(東南アジア諸国連合)は、先頃、域内のインフラ整備を加速するため、今年5月に「ASEANインフラ基金」を発足させ、6月よりその運用を開始すると発表しました。同基金はASEAN加盟国やアジア開発銀行(ADB)が当初資金を拠出し、2020年までに40億米ドルの融資を行なう計画としています。ASEANは、経済・社会的発展などをめざして東南アジアの10ヵ国(※)が加盟しています。約6億人の人口を擁する同地域のGDPの合計は約1.8兆米ドル(共に2010年)とインドをしのぐ経済圏であるといえます。ASEANでは、モノ、サービス、資本や人の自由な移動を実現し、競争力のある自由貿易圏の構築をめざして、2015年に「ASEAN経済共同体」を創設予定であり、域内のインフラ整備が急がれています。域内の民間インフラ投資をみると、2009年にいったん減少したものの、2010年にはエネルギー関連を中心に伸びています。域内ではインフラ需要が年平均600億米ドルあるとの試算(ADB)もあり、民間資金などを活用したインフラ投資をはじめ、インフラ基金も重要な役割を担うものと考えられます。IMF(国際通貨基金)によると、欧州債務問題などにより世界的に経済成長の鈍化が予想される中、ASEANの2012年のGDP成長率は、2011年の4.8%からやや増加し、5.2%と比較的堅調な成長が続く見通しとなっています。先進国の需要が低迷した場合、ASEAN経済に下押し圧力がかかる可能性があるものの、域内のインフラ整備が進展し産業の生産性が高まることで、さらなる経済成長が後押しされることが期待されます。(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。)(2012年4月13日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月16日