「宿命のライバル」を素描で対比!「レオナルド×ミケランジェロ展」が6月からスタート
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1502 年頃
トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale
軍人チェーザレ・ボルジャの肖像といわれていますが、確実な証拠はありません。同一の肖像を異なる角度から捉えて3つの像を描いた本作品は、他視点性により絵画や素描も「彫刻の様な立体性」に劣らず表現ができるというレオナルドによる表明でもあると考えられています。
また、ヴァザーリによれば、ジョルジョーネの作品(現在は消失)にもモデルと鏡面を描いて異なる角度から同一のモデルを描く作品が制作されており、絵画の他視点性が強調されています。
●《大鎌を装備した戦車のニつの案》
レオナルド・ダ・ヴィンチ
《大鎌を装備した戦車の二つの案》
1485 年頃
トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale
レオナルドもミケランジェロも技師として仕事を依頼されることが多く、戦争の多い時代にはむしろそちらが本業であることもありました。本作はレオナルドが考案した兵器ですが実現しませんでした。ここでは馬車で大鎌を回転させ敵兵をなぎ倒していく様子が描かれて
います。
●《老人の頭部》
レオナルド・ダ・ヴィンチあるいは
チェーザレ・ダ・セスト
《老人の頭部》
1510 年頃/1515 年頃
トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale
画家・レオナルドは正面から肖像を捉え、人物の顔を正確に織密に描写する上で、その人の内面をもきちんと捉えることを意識していました。