「宿命のライバル」を素描で対比!「レオナルド×ミケランジェロ展」が6月からスタート
「万能人」と呼ばれた画家・レオナルドと、「神のごとき」と称された世紀の天才彫刻家・ミケランジェロ。2人の作品をじっくり見比べてみましょう。
●ミケランジェロの3作品をご紹介
●《背を向けた男性裸婦像》
ミケランジェロ・ブオナローティ 《背を向けた男性裸体像》
1504-05 年
カーサ・ブオナローティ蔵
©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti
本作は、フィレンツェ共和国のピエロ・ソデリーニがミケランジェロに発注したヴェッキオ宮殿の壁画《力ッシナの戦い》のために描かれた習作です。伸び上がるような姿勢の男性の背面には、筋肉の付き方が事細かに描かれており、彫刻家・ミケランジェロの捉え方がうかがえます。レオナルドの《アンギアーリの戦い》の競作としても知られる作品で、ミケランジェロは下描きが終了した時点で、ユリウス2世によってローマに呼び戻されたため、《力ッシナの戦い》は未完に終わりました。
●《河神》の習作
ミケランジェロ・ブオナローティ
《河神》 1525 年頃
カーサ・ブオナローティ蔵
©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti
蝋で制作された彫刻の習作で、主題はイエス・キリストと共に十字架に架けられた盗人であるとされてきましたが、現在はギリシア神話の河の神と言われています。