ブリューゲルの傑作「バベルの塔」が24年ぶりに来日!「バベルの塔」展が東京都美術館で開催
ここでは、「バベルの塔」以外の作品からその能力をわかりやすく解説します。
ます、1つ目の能力は、ブリューゲルを語る上では外せない、その鋭い観察眼と写実性。ブリューゲルは、農村で働く村人や祭りの様子なども積極的に描き、晩年は“農民のブリューゲル”とも称されました。その観察眼は鋭く、16世紀の人々の風俗が詳細に、且つ写実的に描かれています。「バベルの塔」で描かれた働く人のリアリティは、このような暮らしへの観察眼から生み出されたことがわかります。
ピーテル・ブリューゲル1世、彫版:フランス・ハイス アントウェルペンのシント・ヨーリス門前のスケート滑り 1558年頃
エングレーヴィング Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands
さらに、ブリューゲルは、以前のボスやパティニールらの伝統を受け継いだ、風景画の名手でもあることが知られています。主題を画面手前で展開させつつ、背景には、遥か遠くを見渡すような広大なパノラマ風景を描写。「バベルの塔」を含め、様々な作品で、遥か遠くを見渡すような壮大な光景を描く技術を発揮しています。
見どころ②奇想の画家ヒエロニムス・ボスの傑作2点が初来日
また、2016年で没後500年を迎え、ブリューゲルにも大きな影響を与えたと言われる奇想の画家、ヒエロニムス・ボス。