「私は“即興の魔力”に取り憑かれた」。社会的弱者が分断された日本を音楽で変える「即興楽団UDje( )」を率いるナカガワ エリ【前編】
(参加型ステージ_釜ヶ崎の夏祭り/大阪Photo by江里口暁子)
障害者、日雇い労働者、生活保護者など、社会的に「弱者」と呼ばれる人々を巻き込んで、アフリカの太鼓ジャンベを使って、即興で音楽を作り歌うグループ「即興楽団UDje( )」(うじゃ、以下うじゃと記す)。活動の武器は「即興音楽」だと語るのは主宰のナカガワ エリさん。今回Be Inspired!は彼女に「社会のボーダー」を取り払う、うじゃの活動内容と存在意義を伺った。前編・後編にわけて彼女のドキュメンタリーをお届けする。
即興で生み出すコミュニケーション
パワフルな西アフリカの太鼓「ジャンベ」の音と、エリさんの歌とも言えない絶妙な声が響く。即興楽団UDje( )。名前からすでに伝わってきていると思うが、うじゃの演奏は全て「即興」。アイコンタクトを使って、音楽を作り出したり、声を出したり、手拍子を打ってみたり。
体と体を引っ付けたり、離したり。「音」を中心としたコミュニケーションをその場で生み出す「音のワークショップ」がうじゃの主な活動だ。
(音のワークショップ_千葉盲学校青年学級/千葉Photo by淺川敏)
活動は関東を中心に行われていたが、2011年の震災後、活動の拠点を大阪に移した。