「私は“即興の魔力”に取り憑かれた」。社会的弱者が分断された日本を音楽で変える「即興楽団UDje( )」を率いるナカガワ エリ【後編】
やっぱり弟の存在は大きい。そしてうじゃ。弟がいたからこそ、こんなことを深く考える人生になった。弟は何食わぬ顔でそこにいるだけなんだけど。でもそうやって役割を私に与えてくれているのかもしれません。人生に失望していた8年前の姿から想像もつかない人生を今彼女は送っている。彼女と仲間たちが起こしたこの、うじゃという活動は、言葉だけに頼らないコミュニケーションの技法を身につけることで、人間不信になった人たちの心を癒し、自信の持てない子供達に自信を与え、コミュニケーションが困難な障害者に表現方法を与えてきた。感じたことはやってみたい、体がやりたいからする。
社会の中で自分が置かれてる立場に関わらず、分断された人と人の垣根を取り払い、誰もが自分らしく生きていける社会を築くこと。そのことだけを目指し次々と新しいことにチャレンジしてきた即興楽団UDje( ) 主宰のナカガワ エリさん。彼女のこれからの活動にも注目していきたい。
大阪で救護施設のステージ近日公開
大阪に移り住んだエリさんは、知り合いの紹介で吹田市にある救護施設でワークショップを始めることとなる。エリさんが“おっちゃん”と呼ぶこの利用者たちは生活に困窮している人だったり、精神的にまいっていたり、体に障害があったりなど、社会に適合するのが困難な人たちが多い。