スケボーと起業には共通点がある。無価値な落花生を「3カ月で3万個売れるピーナッツバター」に変えた男
“しょうもない1日も美味しいピーナッツバターでちょっとハッピーに”という意味を込め、“HAPPY NUTS DAY”と名付けられたピーナッツバターがある。千葉の名産、落花生を丁寧に加工し作られたそれは、全国津々浦々、約140箇所で取り扱われ、今日も人々を笑顔にしている。約5年前、「何もない」と言われた九十九里町で産声をあげたスタートアップが、日本中で愛されるピーナッツバターを生み出した秘密とは? そして、衰退傾向の地域産業を盛り上げる秘訣は?誰も知らなかった“いらない落花生”の価値を掘り起こし、周囲を、そして日本を巻き込み始めた、とあるスケーター兼起業家に話を聞いた。

HAPPY NUTS DAY代表の中野 剛さん
中野さんが呼び出されて向かった九十九里町にあったのは、「でかいビーチと海と畑だけ」。地元の人間は「何もない」と自虐するような環境だったと彼は懐かしそうに語る。普通なら「なんか面白いこと」を始めるには適していないように思えるだろうが、ここから始まった「なんか面白いこと」は、やがて日本中に笑顔をもたらすピーナッツバターを生み出すことになる。
その落花生いらないからおまえらにやるよ!
“はねだし”や“ガチャ”と呼ばれ、形が悪いから商品になりづらい落花生を中野さんが手にしたのは2012年の春。