使わなくなった毛皮製品を仕立て直す男が、いくら“社会にいいこと”でも「押し付けでは意味がない」と考える理由
江戸時代の人は、着物が古くなったら部屋着にして、それでも着られなくなったら雑巾にして、最後に屑屋(くずや)さんに引き取ってもらっていた。現代ではそこまでいかないにしても、捨てる前に再利用できないか、もしくは誰かに引き取ってもらえないかって考えて、最終的に捨てるっていう方法を取って欲しいですね(*1 )バイオエタノールとは、トウモロコシや木材、コットンなどの産業資源としてのバイオマスから生成されるエタノール(エチルアルコール)を指す。燃料として自動車などに使われている。
「直すより新しいものを買ったほうが安い」
「直すより新しいものを買ったほうが安い」。これはサロンに相談しにくる人からよく聞く声だそう。それでも人々がこのサービスを利用するのは、TADFURが使わなくなった毛皮の製品に新しい価値を生み出してくれるから。
ちょこっと直すだけではなく、ガラッと変えられるのが毛皮の特性なんです。バラバラにしてパズルのように組み合わせることができるので、実はリメイクには適している素材なんです*2。
お客様にはそういうことを丁寧に説明します。あとは、できるだけ言いたくはないのですが、話をしてもよさそうなお客様には、そのコート一着に何匹の動物が使われているのかを伝えます
すべての人に伝えることが正義だとは思わないが、毛皮が作られているうえで犠牲になっている動物の存在を知ることは大切だと松田氏は話す。