#006 国際ニュースメディアで“現代の多様な家族”を伝えてきた編集者は、なぜ自分の家族を40人に拡張したのか|渋谷の拡張家族ハウス「Cift」が描く未来の生き方
やりたかったカルチャーやエンターテインメント、ライフスタイルの本を手がけられたし、仕事はすごく楽しかったんだけど、出版業界にいて紙媒体だけで伝えることに限界を感じて、ウェブメディアに挑戦してみたいって思ったんだよね。ちょうどその頃にハフポスト(※当時の名称はハフィントンポスト)が日本に上陸することになって、良いご縁で立ち上げ初期のタイミングでジョインさせてもらったの。そこから今5年くらい経ったところかな。アーヤ:ハフポストではどんな取材に力を入れてきたの? 笹川:出版からニュースメディアの世界に来て一番びっくりしたのが、記事の主語が、男性ばかりだったこと。政治のニュースも経済のニュースも。フロントページは男性の写真ばっかりで、この国の意思決定者は男性なんだって実感した。出版社で働いていた時は、出産後に働いている人もいっぱいいたし、年齢とか性別関係なくヒットを出した編集者が評価される世界だった。だからあまりジェンダー・ギャップを意識したことがなかったんだよね。
でも世の中はだいぶ違うらしいって気づいて、そのあたりからジェンダーのイシューが自分事になっていったかな。 それでジェンダーや働き方についてしばらく取材を続けていくうちに、ふっと隣をみたら、LGBTQっていう女性よりもっと生きづらそうなマイノリティの存在に気づいた。