13作目:ダム問題を抱えながらも、強く美しく生きる里山の人々を記録した映画『ほたるの川のまもりびと』 |GOOD CINEMA PICKS
山田監督は作品を作った動機についてそう話していた。ダムが本当に必要であるならば、住民は故郷を諦めるつもりでいたそうである。しかし、必要がないにも関わらず大切な故郷を、豊かな自然を破壊するとなれば、それはまさに不条理にすぎない。こうばる地区のダム問題は私たちの日常には関係のない話に聞こえるかもしれない。しかし、このダムの建設には長崎県や佐世保市はもちろんのこと、少なからず国の税金も使われる。私たちが国に納めた税金が、美しい自然を、素敵な暮らしを、愛に溢れる人々のつながりを破壊することに使われるかと思うと、どうも落ち着かない。
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