昨年は無名の作家から元SMAPの香取慎吾の作品までが並んだ「開かれたアート展」に、今年も注目すべき理由
は、2017年10月に表参道のスパイラルガーデンで19日間にわたって開催された。作品数は500点におよび、展示されていた作品は無名の作家のものから、元SMAPの香取慎吾のような有名人によるものまでさまざま。もともとは障がいのあるアーティストによる作品を中心に展示する企画であった同展示で特徴的だったのが、作家の名前や障がいの有無を会場で配るハンドブックに載せることをせず、障がいのあるアーティストの作品を「障がい者アート」というカテゴリーに当てはめることもしないなど、観る人に先入観をなるべく持たせない工夫をしていた点だ。
渡邊義紘「折り葉の動物たち」/撮影:木奥恵三/画像提供:日本財団
あらゆる人に配慮したスペース
また「誰でも楽しく、居心地よく過ごせる環境」を目指すため、企画チームをキュレーター、建築家、デザイナー、編集者、美術館職員、障がいがある人、福祉関係者など多領域の人々で構成。双方向にコミュニケーションを重ねることで互いに学び合い、準備を行ったという。そこで取り入れられたのが、あらゆるニーズに応じて展示会やサービスの案内をする総合受付「ウェルカム・ポイント」や、鑑賞中に休憩を必要とする人が静かに過ごせる「クワイエット・ルーム」