“母”ニコール・キッドマンが語る「どんな苦痛に見舞われてもユーモアを失わない」
でも彼にはいままでも何度か会っていたし、彼をとても高く評価していること、そしてスクリーンで素敵な夫を演じるのに素晴らしい男性だと感じていることを、ただ彼に伝えたくて電話をしたの。そんな経緯があってのち、アーロンは『イエス』と言ってくれました(笑)」。
満を持しての入魂作となったニコールだが、自身も女優として本作で『めぐりあう時間たち』以来8年ぶりのアカデミー賞主演女優賞にノミネート。一人の母である彼女の内から発せられる深い慈愛、そして優しさから生まれるユーモアが物語を温かく包み込んでいる。
「人生の中で、どんなにひどい苦痛に見舞われてもユーモアを失わない。それこそが人間の魅力だと思います。それがまた、このような物語を分かりやすくしているんだと思うんです。だって、もし誰かが苦しんでいたとしても、その人を笑わすことができれば、多少なりとも心を開かせることができるわけだから。
ユーモアはいつだって存在するの。たとえ、それがダークな形をとっていたとしても。この映画の登場人物に対して、私たちは心を開くことができると思います。それは彼らがみな、正直で本物だからです。家族とはそういうものだし、映画を観た人たちは登場人物たちと一緒に、彼らの体験を分かち合えると思っています」。