『シルク・ドゥ・ソレイユ』上戸彩インタビュー ヒロインに重ねる、やんちゃな少女
そこが「大人も楽しめる」理由の一つだと上戸さん。しかも、セリフがないというのも斬新。「それでも伝わるのがシルクなんだなって思うんです。もともとの舞台のシルクもセリフのないものが多いけれど、この映画のように、誰かが主役になってストーリーが進んでいくというのは珍しいですね。ライヴでは見ることのできない、映画ならではのストーリーになっています」。
小さなサーカス団の公演を見に来たミアは、空中ブランコの青年と出会うが、彼は公演中に突然姿を消してしまう。そして、彼を追いかけて異世界(=シルク)へ旅に出る──というのが大まかなあらすじ。上戸さんは、ミアの目線で進んでいくラブロマンスに強く惹かれ「つい、自分をミアに重ね合わせて観てしまうんです」と、瞳を輝かせてミアの心情を紐解いていく。
「ずっと探していた男性に出会って、自分を助けてもらうというところがたまらなくステキ。しかも、命をかけて守ってくれるっていいですよね。私はミアのように一目惚れの経験はないので、彼女を通じて一目惚れを疑似体験させてもらいました(笑)」。恋に落ちた相手を追いかけて異世界を彷徨うミアは、まるで「不思議の国のアリス」。そんなおとぎ話のような世界感は、女性を少女に戻してくれる。