阿部寛インタビュー 変化を求めてさすらう男、その役者道に「カッコよさは必要ない」
と自らに言い聞かせる。
「いままで映画で賞なんかを獲ってこなかった分、身軽なのかな(笑)?もしアカデミー賞でももらってたら、守りに入っていたかも。そういうものと無縁だったからこそ『失敗してもいいじゃないか』って思えるのかもしれない。でも、その身軽さは常に持っていたい。俳優として認められることで自分を守ろうとして作品を選ぼうとするようになったら、面白くないですから。数年前にあるファッション誌で二十数年ぶりに表紙をやってモデルに戻ったんですけど、そうするともう気分はモデルになってしまって“カッコよく思われたい”という呪縛に囚われる。そういう罠に引っかからないためにも、常にいろんな役を繰り返していく。よく分からない人で居続ける方が、どんな役にもシフトできるから。
外見でも生き方でも『カッコいい』なんて言われることは、決してカッコよくないぞと思うから。役者を思う存分にやるには、そんなのは必要ないものなんだぞと」。
本気で遊び続ける48歳。「次は何しようかな」といたずらっぽく微笑むさまがたまらなくカッコいい。(photo / text:Naoki Kurozu)
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テルマエ・ロマエ 2012年4月28日より全国東宝系にて公開
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