玄里meets監督・樋口尚文 『インターミッション』の奇跡…映画は無意味なほど美しい
――「早い、安い、上手い」が大切
玄里:今回、ボランティアに近い形で参加しているキャストの方も結構いるので、気持ちで集まっているスタッフさんたちが多くて、雰囲気が本当に和やかでしたよね。すごい良い現場だったねってみんな口々におっしゃってました。竹中(直人)さんも「こんな現場、何年に1回あるかないかくらいだよ」って。
樋口:その幸福感が画面に出るから、映画って怖いと思いますよ。
玄里:現場の雰囲気って絶対出ますもんね。
樋口:脚本家の山田太一さんが『インターミッション』をご覧になって「この映画は、監督がスタッフとかキャストを怒鳴りつけて無理くり魅力を引っ張り出すのではなくて、みんなが楽しく大人のひらめきを積み重ねてるものにしかできない良さがある」って絶賛してくださって。それはそれは嬉しかったですね。
玄里:私がすごいなと思ったのは、次の作品撮られるんですか?ってなったときに「いつでも」っておっしゃってたじゃないですか。
「早い、安い、上手く仕上げます」って言われたときにそれって強みだなって思いました。
樋口:今回の映画は時間はないし、お金もないし、心意気だけ。だから、「早い、安い、上手い」