玄里meets監督・樋口尚文 『インターミッション』の奇跡…映画は無意味なほど美しい
表面上はカラフルにポップにやっているけど、でも戦争は絶対にダメなんだよっていうメッセージがすごい強いから、あれはためになる映画じゃないんですか?
樋口:あれはためになる映画を通過して、全然ためにならない映画の境地に達しているよね。反戦反核をめぐる物語は確かに貫かれているんだけど、そういうモラルや主張をはるかに通り越してもはや頭のネジが外れたような表現に達している。ある種クレイジーな映画じゃないですか。大島渚監督に「映画監督に必要なものはなんですか?」って聞いたときに、「それは変態であること」って言ってらしたのを思い出しますよ。
玄里:それ絶対そうでしょうね。それを「包み隠さず、見せられる人」なんでしょうね。
樋口:僕は洋画の中ではヒッチコックの表現が一番好きなんだけど、あの感じが究極的な憧れですかね。一見ものすごく綺麗なんだけど、とてつもなく変態。
一番のお手本ですね。
玄里:じゃあ、ヒッチコック監督の作品が樋口監督の作品に色濃い影響を与えているんですね。
樋口:いやもう単なる憧れですよね。
玄里:次の映画の予定とかはいまのところないんですか?
樋口:おかげさまで『インターミッション』が映画人にも一般のお客さんにも凄く評判がいいので、ポロポロお話は来ていますよ。