橋本愛インタビュー 変化する17歳は「うまくいかないのが楽しい」
「商業映画でオブラートに包んでしまいそうなところを露呈させた脚本で、宅間さんの檻をぶち破るような精神が『好きだな』と思いました。叩かれにくいものを出せばダメージは少ないけど、やっぱり大胆に出さなきゃ伝えたいことは伝わらないから」と橋本さんは物語が問いかけるメッセージに共鳴した。
彼女が演じたのは、知的障害者たちが暮らす自立支援ホーム「ひまわり荘」を運営する医師・国村の娘・はるか。幼い頃より住人たちと共に生活してきたため彼らへの偏見は一切なく、一緒に笑い、泣き、そして時に厳しく叱り飛ばす。橋本さんが演じる上で何より重要視したのは、障害者たちの中でごく普通の女子高生として生活するはるかの“立ち位置”だった。
「はるかがひまわり荘、この物語にいる意味は何なのか?単に元気で明るい女の子ではなく、彼女のうーやん(宅間さん)たち障害者との接し方はどういう形であるべきなのか?純粋で彼らへの偏見がなくて…というのはもちろんそうなんですが、時に母親や姉のようであったり、そうかと思えば彼らと一緒に子どものようであったり。シーンごとに相手との関係性というのを意識してました」。「涙が止まらない!」という感想がクローズアップされがちの本作だが、涙と同じかそれ以上に笑いが散りばめられた作品でもある。