橋本愛インタビュー 変化する17歳は「うまくいかないのが楽しい」
大丈夫!』って自分に無理やり言い聞かせなくても、やれるようになってきてたんですね。だから今回の号泣シーンも『感情を込めて演じればやれる!』って思ってた。そしたら見事にできなくて(苦笑)。でもいまになって考えると、できなくてよかったなと。『ツナグ』で自分が“無”になる瞬間を感じられたことに意味があって、今回、それができなくなったことにも意味があると思う。『こなしたくない』という気持ちが強いので、うまくいかないのが楽しいですよ」。
最後にもう一つ。インタビューや舞台挨拶で彼女が口にする言葉の一つ一つは、17歳とは思えない独特のユーモアと鋭さをもって人々の心に染み込んでくる。
「新人賞」を授賞したある表彰式では、これまでの自身について「活躍しているフリをしてた」と言ってのけ、「(去年)やっと子宮から出てきた、まだ生まれて一年も経ってない赤ん坊です」と語った。この日のインタビューでもセットが与えた影響の大きさについて語る際に、こちらの「現場の空気感」という言葉に対し「空気感じゃなくて空気そのもの。撮影所の空気じゃなくてひまわり荘の酸素がそこにあって、呼吸できたんです」と鋭い言語感覚の一端を垣間見せた。