【インタビュー】芦名星 ショートフィルムのヒロインに重ねた夢と葛藤、親への思い
何より、私の場合は親の理解がありました。親は『自分で決めたことなら応援してやりたい』と考えてくれたし、いま思うと親の理解ってすごく大きなものだったなと思います」。
上京に際し、芦名さんは父親に「必ず一番になって帰ってくるから」と宣言した。すると父親は「一番にならなくていいから、いつでも帰ってこい」と言ってくれたという。
「親のありがたみや優しさというのは、早くにこっちに出てきた分、早く気づけたなと思います。やはり常に家族の存在が支えだったし、私自身、一番心が休まる場所は故郷(=福島県郡山市)であり、実家なんですね。いまでも家に帰っても、決して何か特別に言葉を掛けてくれるわけではないんです。ただこちらの気持ちを察して、私が気持ちよく家で過ごして、エネルギーを養ってまた東京に戻れるようにしてくれる。
離れていてもずっと一緒に歩んできたなという思いはありますね」。
高校1年生で希望に胸を膨らませて上京した少女も、昨秋で節目の30歳を迎えた。女優としても既にデビューから10年以上を数えるが、本人は「いつでも“足りない足りない”病なんです」と苦笑いを浮かべる。「本当にいろんな作品に出させていただいてきたし、そのひとつひとつの積み重ねがあって、いまの自分があるということは十分、承知してるんですが、それでもふと振り返ると『10年でようやく、ここまで来たか…』という気持ちです(苦笑)。