【美的アジア】『泣く男』イ・ジョンボム監督、チャン・ドンゴンの号泣秘話を告白
具体的に話も進んでいたのですが結局うまくまとまらず、「韓国の俳優にしよう」と思ったときにまっさきに思い浮かんだのが彼だったんです。シナリオがまだ完成していない段階で「こんな話があるんですよ」と伝えたんですが、彼は快く「やります」と言ってくれました。
学生時代、すでにスターだったドンゴンさんが校内でバスケットをしている姿を見て「この人といつか仕事をしてみたいな」と思ってましたから、縁ですね(笑)。
(注:チャン・ドンゴンと監督は同い年で同じ韓国芸術総合学校に通っていた)
――なぜ“一番”にチャン・ドンゴンさんが思い浮かんだのですか?
今回のゴンという役は「家庭を持ち、子どもがいる俳優に演じてほしい」と思っていたんです。「子どもを失った親の悲しみを知っている人」に演じてもらいたいという思いが強かったから。実際にドンゴンさんは優しい方で、子ども好きでした。撮影が長引くと子どもに会いたがっていましたね。そんな方だったからこそ、ゴンという役を理解できるのは彼だと思ったんです。
実は私自身も、子どもが生まれて最初に書いたシナリオが『アジョシ』で、それを強化したのが『泣く男』だったんです。私も父親としての感情を知っているつもりなので、知らず知らずのうちに私の作品には子どもが出てきているのかなと思っています(笑)。