【美的アジア】『泣く男』イ・ジョンボム監督、チャン・ドンゴンの号泣秘話を告白
なのかもしれませんね。
――「母性」と言えば、『アジョシ』では少女との心の交流が描かれていました。今回の『泣く男』でも誤って殺してしまったのは「女の子」、暗殺ターゲットは「女性」、ゴンの心のトラウマの原因は「母親」です。これは、監督にとっての「母親」や「女性」の存在、影響が反映されているのでしょうか?
私は女性に対してすごく不器用なのであまり優しくしてあげられないんですね。なので、映画を通して女性に「謝りたい」という気持ちがあるんです(笑)。
男って、強いふりをしてる人がすごく多いんですよ。力が強い人も実際いますが心は成長していない子どもだと思うんですよね。心を覗くと弱い所や脆い所があったりする。
私は若い頃運動をしてたんですけど、そういう男性がすごく多かったです。そのために女性をめぐって傷つくこともありましたし。
男性からするとやっぱり「謝りたい対象」「許しを求めたい対象」って女性であることが多いような気がするんですよね。そんなふうに女性に許しを求めたり、詫びるということを通して男性はカタルシスを感じて成長していくものだと思うんです。そういう男性に対して私は「憐み」の気持ちも持っていますし、物語にそういう男を描くのが好きなんですよ。