【美的アジア】『泣く男』イ・ジョンボム監督、チャン・ドンゴンの号泣秘話を告白
それを見せて、私はドンゴンさんに「この銭湯は君の心と一緒だ。かなり荒廃している。それがゴンの気持ちなんだ」と伝えました。
「人を殺さなければいけない殺し屋の悲しみはあるんだけども、ゴンは生まれ持って悲しみを背負ってしまっている人間だ」そう伝えて何度も何度もテイクを重ねました。8回位撮った記憶があります。4、5テイクのときに泣きすぎて目がはれてしまい時間をおいて撮り直しました。4、5時間位かかったと思います。本編では最後にOKを出したカットを使っているのですが、そのときのドンゴンさんは心から泣いているというのが見え、私もつられてもらい泣きをしてしまい、ドンゴンさんと2人でティッシュを渡しあいながら一緒に泣いた記憶があります(笑)。
そんなことも思い浮かべながら観ていただけたら嬉しいですね。
『アジョシ』での取材以来、3年ぶりにも関わらず、スタッフや筆者のことを覚えてくれており、終始和やかなひとときとなった今回のインタビュー。「“ワールドカップ監督”って言われてたんですよ」と『泣く男』までの年月を自嘲を交え、笑いながら話す監督は「次はそんな名前をつけられないように早く撮りたいと思います。自分がシナリオを書かなければもっと早く撮れると思うんですけどね(笑)」