【インタビュー】窪田正孝 真性・カメレオン俳優の理想「芝居をしないでそこにいる」
それを最初に見た時に『あぁ、自分と同じことを考えてくれていたんだ』とすごく嬉しかったです。連ドラでもみんなが喋っているときに黒崎だけ筋トレしていたりするんですけど(笑)、そういうところが彼らしいというか、体を鍛えることで精神も研ぎ澄まされていってるんだろうと。そういうスタンスが彼にはあるなと思っていました。性格的な部分で言うなら、他人の言葉のトゲで喋れなくなりましたが、実は彼の口からあふれる言葉というのは、すごく優しいんじゃないかと思っています。キャップをのぞくSTのメンバーで、実は一番社会性があるんじゃないかと(笑)」。
喋らないからこそ、表情やちょっとした視線、仕種で感情や思いを伝えなくてはならないが、難しいのはその度合いである。劇中、キャップが異動でSTを去らねばならないタイムリミットが近づく中で、あろうことか赤城が“容疑者”として追われる事件の解決を迫られるSTの面々。キャップへの思い、STに対する愛着――窪田さんはそうした黒崎の胸の内を分かりやすく表情や仕種に乗せるという表現をあえてしようとはしなかった。
「そこは逆に見せないようにしました。もちろん、黒崎としてキャップにいなくなってほしくないという思いもあるけれど、それはやはり伝えちゃいけないところ。