【インタビュー】窪田正孝 真性・カメレオン俳優の理想「芝居をしないでそこにいる」
武術の技術を持っている人の戦い方ってやはり違っていて、自分で攻めるよりも、相手が来るのをかわして、受け流しつつ攻める。強い人ほど自分からは攻めないものなんですね。そこが難しくて最初は焦ったりしました。黒崎は戦いの中でも常にクールだし、息を切らすようなこともないんですが、それが結構難しい(苦笑)。人間は瞬時に右に向いたりすると、口がパカッと開いたりするものなんですが、彼にはそれがなくキリッとしてなくちゃいけない。機械のように冷静に動くことを強く意識していました」。
アクションに加え、ファンの心を掴んだのが“喋らない”黒崎のキャラクター。唯一、言葉を交わすことが出来る山吹(三宅弘城)にボソボソと耳打ちする姿がおなじみだが、窪田さんは「黒崎は、本当はSTのメンバーと喋っているんだと思っています」とその心情を推し量る。
「事件が主体で描かれるので、そうした部分が詳しく描かれることはないんですが、見えないところで何をして、どんなことを考えているか?この作品ではそういうことまでスタッフさんは細かく考えてくれているんです。STのブースに各人のデスクがあるんですが、黒崎のところにはダンベルとか握力用のトレーニング器具とかが置いてあるんです。