【インタビュー】オダギリジョー “異端児”はそれでもユーモアを愛す!
実写部分はある程度、早い段階で撮影された。アニメパートはまず、オダギリさんら俳優や監督がグリーンバックの前で実際に演技をし、その映像に合わせて1コマずつ、人形の手足や表情を少しずつ変化させながら撮影した。オダギリさんもアニメ制作の現場に赴いたが「パシャっと(1コマ分を)撮って、少し人形を動かして、またパシャッと撮るという繰り返し」。1日に撮影できるのは本編の3~5秒分という気の遠くなるような作業が続けられ、ようやく完成した。
「ものすごい根気のいることですよね。あの作業を目の当たりにすると、それが95分の作品になるまでの途方もない労働力が想像でき、本当に頭が下がりました。普段は映画の撮影が終わると、翌年には公開されるんですが、この作品はここまで来るのにこれだけの時間がかかりましたからね。だからこそ、なおさら実写の撮影の後のスタッフのみなさんの苦労を感じます。
そういう意味で、なんか僕は出演者としてというよりも、家族とか身内のような感覚で『(完成して)ホントに良かったね…』という気持ちになってしまう(笑)。いままでにやって来た作品とは距離感とか関わり方、完成作を観て感じることが、ちょっと違うかもしれないですね」。