終戦、アウシュビッツ解放…ユダヤ人少年の実話『ふたつの名前を持つ少年』公開
として、たった一人で森に潜み、食べ物を求めて農村を渡り歩きながら、3年もの月日を生き抜いた実話を基にした物語。
原作は、1996年「小さなノーベル賞」とも称される児童文学賞・国際アンデルセン賞を受賞し、自身もユダヤ人強制収容所や隠れ家生活の体験者である児童文学作家ウーリー・オルレブによる「走れ、走って逃げろ」(03年・岩波書店刊)。今回、イスラエル、ポーランド、ドイツ、フランスに続いて日本でも公開されることに、オルレブは「大変嬉しい」とコメントしている。
監督を務めるのは、奇しくもスティーヴン・スピルバーグの『シンドラーのリスト』が席巻した第66回アカデミー賞において、『Schwarzfahrer』(黒人のドライバー)で「短編実写賞」を受賞したペペ・ダンカート。オルレブの原作との出会いを、「見る者の記憶に20年後も残り続ける映画となる素材を見つけた瞬間」と明かしている。
過酷な運命を力強く、前向きに生き抜く“ふたつの名前”を持つ主人公を演じたのは、アンジェイとカミルの双子の兄弟。愛らしい笑顔の少年が、なぜ、ユダヤ人というだけでこれほどまでに過酷な運命を生きなければならなかったのか。