【特別映像】緊張感あふれる演奏シーン公開! 狂気の音楽映画『セッション』
だ。
「Whiplash」の意味は“むちで打つこと”。むちを打つようなドラマーのスティックさばきと、フレッチャーによる苛烈なしごきをイメージさせるタイトルとなっている。
映像内で演奏される「ウィップラッシュ」は、1973年にハンク・レヴィが作曲した楽曲。1927年生まれ(2001年没)のハンク・レヴィは、『フレンチ・コネクション』の音楽を担当したことも有名であり、“変拍子の神様”と言われたトランペッター、ドン・エリスのビッグバンドのコンポーザーとして、数多くの作品を残している。ミュージシャンの間では、一つの楽曲の中で目まぐるしくリズムの変わる曲作りを好むことで有名だった。
本作は、監督・脚本を手掛けたデイミアン・チャゼルの自伝的な物語。音楽の才能に恵まれたチャゼルは、ニュージャージー州のプリンストン高校のバンドでジャズドラマーとして活躍したが、厳しい指導者のもとで苦悩の日々を送っていたという。
当時、ドラムを叩くことが人生だったチャゼルは、「いつも怒鳴られるのではないかとビクビクしていたこと、初めて買った自分のドラムをイライラして殴り壊したことを今もはっきりと思い出す」と語っている。