くらし情報『【インタビュー】『海街diary』是枝裕和監督 4姉妹と築いた漫画と映画の幸せな関係』

2015年6月12日 18:30

【インタビュー】『海街diary』是枝裕和監督 4姉妹と築いた漫画と映画の幸せな関係

だから、そこを一度、捨ててみようと思ったし、むしろ夏帆さんであればアフロにはしないだろうと思った。アフロにせずとも姉2人と違う感じが出せれば、映画としてはその方がいいんじゃないかという方向性に行けたのがよかったんじゃないかと思います」。

改めて、吉田さんによる現在進行形の原作を是枝監督は「少女漫画の枠を超えてすごく“大きなもの”を描いていると思う。それは人間ではなく、街だったり、時間だったりしていて、だからこそ、これは『鎌倉4姉妹物語』ではなく『海街diary』なんだと思う」と評する。さらに、こうも続ける。

「よく『この作品を撮って家族観が変わったか?』と聞かれますが、そもそも、自分に確固たる家族観があったのかがよくわからない(笑)。ただ、なぜこの原作漫画が面白いのかと言うと(同じく吉田作品の)『櫻の園』は『過ぎ去った時間はもう戻ってこない…』というある種の残酷さを描いているんだけど、この『海街diary』は『過ぎ去った時間が時と共に自分の中で形を変えていく話』を描いていると思うんです。特に幸にとっては。
反発していた母親に久しぶりに会う。嫌って否定していた父親がすずを残してくれた。そうやって、幸の中で過去が書き換えられていくことが、彼女の成長になっていくというのが、すごく大人の人間描写だと思うんです。

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