2016年2月16日 20:00
【シネマ羅針盤】レオナルド・ディカプリオ、4度目の正直なるか?悲願の主演男優賞に王手
と揶揄されるようになった。
確かにそれも一理あるかもしれないが、主演男優賞に与えられるオスカー像が1つしかないことを忘れてはいけない。過去にディカプリオを蹴散らした受賞者たちが、マシュー・マコノヒー(『ダラス・バイヤーズクラブ』)、フォレスト・ウィテカー(『ラストキング・オブ・スコットランド』)、ジェイミー・フォックス(『Ray/レイ』)と皆、その年の“大本命”だったことを考慮すると、「運がなかった」「相手が悪かった」だけかもしれない。
ちなみに今年のライバルは、ブライアン・クランストン(『Trumbo(原題)』)、マット・デイモン(『オデッセイ』)、マイケル・ファスベンダー(『スティーブ・ジョブズ』)、エディ・レッドメイン(『リリーのすべて』)。すでに候補作5本を鑑賞したが、率直な感想として「ディカプリオが抜きん出ている」と断言できる。ほとんどセリフがない状態で、愛するものすべてを奪われた男の復讐心と“生への渇望”を神々しいまでに表現する演技は、一瞬たりとも目が離せないのだ。懸念があるとすれば、このタイミングで有力候補に急浮上した『Trumbo』のクランストンで、役柄・演技とも実にオスカー会員好み。