2017年2月23日 16:30
【インタビュー】生田斗真 女性として生きる――母性と出会う瞬間「愛おしくて苦しくて」
というほど、悩んで、試して、あのリンコの声にたどり着いた。
「仕草や居方については日本的なことも参考にしました。舞踊とか歌舞伎の女形にヒントがたくさんあって、どこか古風な女性を目指したというか…。編み物をすることも大きかったです。ただ僕は本当に無器用だし編み物をやったことはなかったので、早い段階から先生に教えてもらったんです。最初、あまりにもできなくて愕然としましたね。手はつるし、できないから楽しくないし(苦笑)、毎日家で練習しました。荻上監督はワンカットで撮影することが多いというのを耳にしていたので、セリフを言いながら、演じながら、手元を見ずに自然と編める──そのくらいできるようにならなきゃいけないと思って。
最終的にはとても速く編めるようになりました(笑)」。
リンコが編んでいるのはある形をしたもので、それを彼女は「アタシの煩悩」だと言う。悔しいことがあるたびに煩悩を編み、ある数に達したときに叶えたいことがあった。リンコはそんなふうに悔しさや怒りを編み物に込めているが、生田さんは?
「僕も日々のなかで溜息をつきたいときはありますよ。でも、プライベートで怒りを感じることはあまりないですね。