【独女のたわごとvol.36】女の本性をあぶり出す…夏の終わりに仏女優イザベル・ユペールの怪演を堪能
、さすがのジェーンもこのヒロイン、ミシェル(イザベル・ユペール)の心理を解き明かすことは無理なんじゃないかなぁと。それほど強烈なキャラクターでした。
ある日、自宅で覆面の男に襲われたミシェルは自分で犯人探しを始めます。いったい誰が犯人なの?という謎解きと並行して、ミシェルってどういう女性なの?彼女の本性があぶり出されていきます。彼女の言動が何を意味するのか、彼女の思考&心理を理解しようと試みるものの、あまりにも強烈でぶっ飛んでいて、理解するなんて到底無理だって気づく。
クレイジーでエロティック、道徳的でも哲学的でもなく、愛情や友情があるのかさえもわからなくなって、ある種のおとぎ話として、こういう女もいるかもしれないね、と受け止めるしかないというか理解できなくてほっとするというか。味わったことのない感覚に襲われます。ふと思ったのは、ミシェルのことは理解できないし、できなくて構わないけれど、彼女のタフさはいまこの時代を生きる女性に必要なものなのかも…と。
それにしても、強烈すぎる女ミシェルを演じたイザベル・ユペール、凄すぎました。今宵はここまで、また次回。
(Elie Furuyama)
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