【イマ旬!ハリレポ】現地目線!第90回アカデミー賞レース特集~入門編
これまで女優業中心だったグレタ・ガーウィグの監督デビュー作で、自分がティーンエイジャーだった頃の経験を基に執筆したストーリーとのことで、映画祭などでこの作品をすでに見た人々からはその質の高さに新米監督の作品とは思えないと言う声が上がっているほどの話題作だ。主役クリスティーヌこと“レディ・バード”を若き演技派シアーシャ・ローナン(『ブルックリン』)が演じ、彼女の名演もアカデミー賞主演女優部門でノミネーション間違えなしとの下馬評が高い。
『シェイプ・オブ・ウォーター』
5本目にご紹介の『シェイプ・オブ・ウォーター』も以前であればアカデミー賞候補になるには少々異色すぎると言われていたかもしれない。日本ではまだ未公開の本作だが、ギレルモ・デル・トロ監督が製作・脚本も兼ねたこの作品は、彼お得意の美しくもダークなファンタジー・ドラマで、謎の人魚男と口のきけない女性とのロマンスを描いている。ひと昔前に人魚姫がトム・ハンクス演じた普通の男性に恋をしてしまう映画『スプラッシュ』を男女逆にしてもっとダークにしたのがこの作品である。口のきけないヒロイン(サラ・ホーキンス)が、愛する人魚を邪悪な科学者から守ろうと、命がけで救出を試みる様には思わずエールを送ってしまう。